エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1374
2023.12.26 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
最新世代のマザーボードは、PCI Express 5.0に対応する高速なNVMe SSDを使用できる点も大きなメリット。優れたパフォーマンスが期待できる一方で高めの発熱がネックなところ、「ROG STRIX Z790-E GAMING WIFI II」はその問題をクリアするために大型ヒートシンクの「M.2 Combo-sink」を備えている。
今回ヒートシンクの検証に使用するのは、Seagate初のPCI Express 5.0(x4)対応NVMe M.2 SSDとして6月末から販売されている、「FireCuda 540」シリーズの2TBモデル「ZP2000GM3A004」だ。
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「FireCuda 540」シリーズのパッケージ。ゲーミング向けを意識したデザインになっている |
NANDフラッシュやコントローラが実装されている側にもシリーズ名のラベルが貼り付けてあるだけで、ヒートシンクは非搭載。その性能を引き出すためには、適切な冷却対策が必要になる |
3D TLC NANDフラッシュおよびPhison E26コントローラを組み合わせたSSDで、転送速度はシーケンシャル読込最大10,000MB/s、同書込最大10,000MB/s、ランダム読込最大1,490,000IOPS、同書込最大1,500,000IOPSというもの。ゲームのロード時間を短縮する「DirectStorage」にも対応するため、ゲーミングマシンのデータストレージとして一際オススメなモデルだ。
また、MTBFは180万時間、総書込量は2,000TBW(2TBモデル)とされ、PCI Express 5.0(x4)接続のSSDの中では最高クラスの耐久性を備えているのも特徴。大量のデータを扱う場合でも「FireCuda 540」シリーズなら安心して使用することができる。
シーケンシャル読み書きおよびランダム読み書きともに、公称値を上回るスコアをマーク。さすがはPCI Express 5.0対応SSDというパフォーマンスを見せてくれた。
そして特筆すべきは、そのパフォーマンスを支える「M.2 Combo-sink」の冷却性能だ。ベンチマークテストを3連続で実行する最中も、SSD温度は常に65℃を下回る安定したもの。当然ながらサーマルスロットリングも発生することはなく、Seagate「FireCuda 540」の性能をフルに発揮することができている。
アイドル時(左)と「CrystalDiskMark 8.0.4」実行時(右)のサーモグラフィ。ベンチマーク実行時は発熱が増しているが、まだ余裕があるようだ |
実勢売価で約80,000円に届く「ROG STRIX Z790-E GAMING WIFI II」は、決してコストをウリにするマザーボードでないことは確か。しかしその搭載機能や豪華な装備の数々は、ブランド内で位置付けられているミドルグレードの範疇を超えるクオリティだ。
ちなみに同じグレードにはモデル名が(ついでに言えば見た目も)似ている「ROG STRIX Z790-F」シリーズの製品もラインナップされているが、20フェーズを超える電源回路の規模や追加された拡張スロット、ストリーマーにも嬉しい増強されたUSBポート群など、価格差を反映した説得力あるスペック構成になっている。
全体的に仕様を見渡してみても、堅牢な電源周りや放熱機構、PCI Express 5.0対応SSDを万全に運用できるビッグサイズのヒートパイプ入りヒートシンク、Wi-Fi 7を含む強力なネットワーク機能など、ハイエンド匹敵の万能さを備えている。性能やクオリティに妥協したくないが、さらなるハイエンドにはちょっと手が届かない・・・というゲーマーにとってのベストバイな1枚と言えそうだ。
提供:ASUS JAPAN株式会社