エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1376
2023.12.29 更新
文:編集部:絵踏 一・池西 樹/撮影:pepe
ここからは、ゲーミングPCに「G274PF」を接続して、その実力をチェックしていこう。検証用のPCには、Core i7-13700KFとGeForce RTX 4080を搭載するMSIのハイエンドゲーミングPC「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を用意し、「G274PF」の高速リフレッシュレートを最大限に発揮できる環境で検証を行った。なおゲーミングPCの詳細については、以下のレビュー記事を合わせて参照頂きたい。
「G274PF」では、水平/垂直178°の広視野角なRAPID IPSパネルを採用しているため、角度による色味の変化は最小限に抑えられている。また輝度については250cd/㎡とやや控えめなこともあり、角度をつけると両端で若干低下が見られる。ただし、基本的に正対して使用することになるゲーミング液晶ディスプレイでは、影響はほとんどないだろう。
暗いシーンの視認性を改善する場合、通常のディスプレイでは画面全体の輝度を一律に調整するため、元々明るいシーンでは白飛びが発生する欠点がある。一方「ナイトビジョン」では、暗いシーンや明暗差が大きなシーンを自動的に判別して輝度を調整するため、ゲームの雰囲気を損なうことなく視認性を改善することができる。
なお設定はOSDメニューから「オフ/通常/強い/最も強い/A.I.」の5段階に切り替えられるため、実際に試して最も見やすい設定を選択するといいだろう。
テストセッションの最後は、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使用してリフレッシュレートの違いを確認していこう。テストではディスプレイ同期技術を有効化し、デジタルスチルカメラのスーパースローモーション機能を使い画面を直接撮影している。なおリフレッシュレートは60Hz/120Hz/180Hzの3段階で計測を実施した。
リフレッシュレート60Hzの設定では、映像がコマ送りのように表示されるのに対して、120Hzの設定ではコマ送り感がだいぶ解消されているのがわかる。さらに180Hzでは、960fpsのスーパースローモーション撮影でも映像はなめらかでコマ送り感は完全に解消されている。そして、RAPID IPSパネルを採用しているため、60Hz環境でも残像感が少ないのも大きな特徴。一瞬の判断が勝負を分けるFPSやバトルロイヤルゲームでは、「G274PF」は力強い味方になってくれるだろう。
コストパフォーマンス重視のシリーズながら、高速なRAPID IPSパネルを採用していること、リフレッシュレート180Hzに対応していることは、「G274PF」の主要なトピックとして冒頭挙げた通り。ミドルグレードのコストで購入できる27型フルHDモデルとしては最速クラスであり、応答速度も黒挿入なしのGTG測定で1msに対応している。
色再現性も高く、アイケア機能も充実しているため普段遣いにも便利。PS5などコンシューマゲーム機でもフルHD/120Hzの高速描画が可能で、PCからゲーム機までを含めたゲーミング用ディスプレイの役目を1台でこなすことができる。
また、コストパフォーマンスモデルでは最初にカットされがちな、スタンド機能が優秀である点も見逃せない。基本的なチルトだけでなく、スイベルや高さ調整、さらにピボットにも対応する多機能さは、この価格帯では珍しい。仮に多機能なスタンドを別途購入して換装しようと思えば5,000円程度の出費は必要なため、かなりお買い得だ。スタンド自体も同クラスのディスプレイに比べてスリムであり、設置面での自由度も高い。
フルHD環境でお手頃かつ使い勝手の良いゲーミング液晶を探しているなら、ミドルユーザーにとって「G274PF」はちょうどいい選択肢になってくれそうだ。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社