エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1377
2023.12.30 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
メインストリーム向けCPUを圧倒するマルチスレッド性能と引き換えに、TDPが350Wに引き上げられたRyzen Threadripper 7000/PRO 7000 WXシリーズ。高負荷時でも安定動作させるにはこれまで以上に電源回路の出力と冷却性能が重要になる。そこで、テストセッションのラストは「Cinebench R24」を30分連続で実行した場合のVRM温度とファンの回転数を確認しておこう。
アイドル時のサーモグラフィー結果 | 高負荷時のサーモグラフィー結果 |
まずVRM温度を確認するとVRM1、VRM2ともアイドル時は約40℃前後、高負荷時でも50℃前半までしか上がらなかった。サーモグラフィを見てもヒートシンクの温度は常に低く保たれており、ファン付きヒートシンクの冷却性能は極めて優秀と言っていいだろう。冷却ファンの回転数もアイドル時で3,000rpm前後、高負荷時でも3,900rpm前後で頭打ちになり、バラック状態でのテストにも関わらずノイズが気になることはなかった。
Zen 4アーキテクチャの採用や高クロック動作により、従来モデルから大きくパフォーマンスが引き上げられたRyzen Threadripper 7000シリーズ。その一方で、TDPは280Wから350Wへと70Wも増加しており、これまで以上にマザーボードの電源回路への負担も大きくなっている。
そのためASRock「TRX50 WS」では、現行最高クラスの出力を誇る110A SPSをはじめとした高品質なパーツで構成される18+3+3フェーズの強力なデジタル電源回路を搭載。さらに4基の冷却ファンを備えた大型のヒートシンクを組み合わせることで、すべてのコアに負荷がかかる状態でも安定かつ静音動作が可能だった。
加えてオーバークロックに対応するメモリスロットや、10ギガビットLAN、PCI Express 5.0(x4)接続に対応するBlazing M.2やMCIOなど、サーバーグレードの高速なインターフェイスも充実しており、まさにウルトラハイエンドPCを構築するための装備が揃っている。
そして、ワークステーション向けを謳いながら、GUIベースのインタラクティブUEFIや、Auto Driver Installer、簡単にBIOSのアップデートができる「Flash BIOS Button」といった、ユーザーフレンドリィな機能が充実しているのも特徴。これまでコンシューマー向けの製品しか扱ったことがない人でも安心して利用することができる製品に仕上げられている。
提供:ASRock Incorporation