エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1380
2024.01.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
これまでIntelのデスクトップ向けCPUでは、第1弾としてまずパフォーマンスを重視した「K」モデルが先行投入され、その後数ヶ月以内にスタンダードな「Non-K」モデル(および省電力な「T」モデル)がリリースされるというサイクルを繰り返してきた。開発コードネーム「Raptor Lake-S Refresh」こと、「第14世代Intel Coreプロセッサ」でもこのサイクルは変わらず、Kモデルの投入から約3ヶ月が経過した2024年1月より、Non-Kモデルの発売が開始されることになった。
今回リリースされたNon-Kモデルでは、従来通りオーバークロック機能が省略されている他、動作クロックもKモデルに比べると控えめ。その分Processor Base Power(PBP)は最大65W以下、Maximum Turbo Power(MTP)も最大219W以下に設定され、消費電力や発熱が抑えられている。またリテールクーラーが付属しているため、別途CPUクーラーを購入することなく運用できるのも特徴だ。
Core i7-14700に付属しているリテールクーラー「Laminar RM1」。なお今回Core i5-14400の評価サンプルはバルクだったが、リテールモデルには同じものが付属していると思われる |
もちろん対応プラットフォームはLGA1700で、チップセットは従来のIntel 700/600シリーズをそのまま流用可能(一部製品はBIOSのアップデートが必要)。現在第13/12世代Intel Coreプロセッサを使用しているなら、CPUを載せ替えるだけでPCをアップグレードすることができる。
Intel「Core i7-14700」(2024年1月9日発売予定) 製品情報(Intel) |
「Core i7-14700」は、8コア/16スレッドのPコアと、12コアのEコアを搭載するハイエンドモデル。先代のCore i7-13700に比べるとEコアが8コアから12コアに増加している他、Pコアのブーストクロック(Turbo Boost Max 3.0クロック)は5.20GHz→5.40GHz、EコアのMax Turboクロックも4.10GHz→4.20GHzへと引き上げられている。マルチスレッド処理を中心にパフォーマンスの向上が期待できるが、実際の性能については後半のテストセッションで明らかにしていこう。
Core i7-14700(上)とCore i7-13700(下)の「HWiNFO64」の結果。Eコア数やキャッシュ容量は増加しているものの、ステッピングは「B0」から変化なかった |
Intel「Core i5-14400」(2024年1月9日発売予定) 製品情報(Intel) |
「Core i5-14400」は、6コア/12スレッドのPコアと、4コアのEコアを搭載するミドルレンジモデル。先代のCore i5-13400との違いは、PコアのMax Turboクロックが4.60GHz→4.70GHz、EコアのMax Turboクロックが3.30GHz→3.50GHzへと引き上げられているだけ。ステッピングも残念ながら「C0」のまま変更されておらず、CPUコアは第14/13世代Intel Coreプロセッサの上位モデルで採用されている「Raptor Cove」+改良版「Gracemont」ではなく、第12世代Intel Coreプロセッサと同じ「Golden Cove」+「Gracemont」の構成だ。
Core i5-14400(上)とCore i5-13400(下)の「HWiNFO64」の結果。型番とコードネーム以外に違いはなく、コアの構成はPコアが「Golden Cove」、Eコアが「Gracemont」 |