エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1385
2024.01.27 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここからは、実際のゲームに近い負荷を連続でかけるため、長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークを実行する。まずは「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークテストをチョイス、これまで同様に30分間動作させることにした。なおグラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットと、最も高い負荷がかかるように設定している。
GeForce RTX 4070 SUPERを搭載したシステムとして、気になるベンチマーク中の消費電力は最大440W。負荷率は約51%で、変換効率の面では最も有利な環境だ。
先ほどの「Cinebench」と同様に変動(特に12VHPWR)が大きいが、これもベンチマークのフェーズごとに頻繁なロードを挟むためだ。もっとも忙しく変動しているようで、変動幅自体はかなり限定的。12VHPWRでも0.5%以下の下振れに留まるほか、似たような変動パターンの主電源およびCPUもより小規模な変動幅に収まっている。断続的な負荷がかかるゲームシーンでも、システム全体に安定した電力を供給できているようだ。
ゲーム系ベンチマークで同様の長時間ループに対応したものとして、より高負荷な「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを実行。先ほどとどのような違いが出るのか見ていこう。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択、解像度は3,840×2,160ドットで、テスト時間はこれまで同様の30分間だ。
ベンチマーク中における消費電力は最大457W。電力変換効率が最も有利になる負荷率50%に近く、GeForce RTX 4070 SUPER搭載環境において850Wの電源ユニットはピッタリなチョイスになるかもしれない。
さて結果を見ていくと、完全なアイドル状態にならないためか、グラフ自体はかなり落ち着いた波形に。ただしそれぞれの変動幅を見ていくと、ATXは11.99~11.96V、CPUは11.99~11.97V、12VHPWRも(一瞬足が出ているが)ほぼ11.99~11.95Vの範囲で動作しており、これは「FF14」テストとまったく同じ。負荷のかかり方が違うテストでもほぼ同じパターンで動作しているあたり、「ASUS Prime 850W Gold」の安定性には十分な信頼が置けるようだ。
単にATX 3.0対応電源ユニットの850Wモデルとして比べると、(ASUSのエントリー向け製品とは言え)「ASUS Prime 850W Gold」はやや高めの部類に入る。ただしホワイト環境にマッチする上品なホワイトカラーの製品とくれば貴重な存在であり、さらにリバーシブルで使える点に至っては唯一無二な特徴。ビルド環境のコンセプトが変わっても、裏返すだけで使い回せるという気安さは、頻繁な電源の買い替えを避けたいエントリー層にとって嬉しい要素だ。
また、厳格な電圧レギュレーションが設定されているようで挙動も安定しており、動作面では素性の良さそうな印象を受ける。部品点数が少ないシンプルな内部構造は長期運用の点で多少気になるものの、8年間の長期保証を考慮すればそれほどネガティブな要素ではないだろう。
ホワイト環境と色違いになるブラックのケーブルはネックになるかもしれないが、まずはそこに妥協できるかどうか。しかしホワイト系パーツは使い回しにくいという常識を覆す「ASUS Prime 850W Gold」は、思った以上に使い勝手がいい電源ユニットなのかもしれない。
提供:ASUS JAPAN株式会社