エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1390
2024.02.07 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
SAPPHIRE「PULSE Radeon RX 7600 XT GAMING OC 16GB GDDR6」 (型番:PULSERX7600XTOC16G/11339-04-20G) 市場想定売価税込58,800円前後(2024年1月26日11:00販売開始) 製品情報(SAPPHIRE Technology/株式会社アスク) |
本題に入る前に、まずはAMDの最新GPU「Radeon RX 7600 XT」について簡単におさらいをしておこう。昨年5月に登場したRDNA 3アーキテクチャのミドルレンジGPU「Radeon RX 7600」の上位に位置づけられる製品で、ビデオメモリについては従来の2倍にあたる16GBへと拡張されている。
ミドルレンジクラスながら16GBの大容量ビデオメモリを搭載しており、大規模なクリエイティブアプリケーションや生成系AIもターゲットにしているとのこと |
これはワンランク上のRadeon RX 7700(12GB)を超え、その上のRadeon RX 7800(16GB)に匹敵する容量で、ビデオメモリを大量に使用する最新AAAゲームや、クリエイティブアプリケーション、さらに昨年から急速に普及が進んでいる生成系AIなどでは大きなメリットになるだろう。
また動作クロックもゲームクロックが2.25GHz→2.47GHz、ブーストクロックが2.66GHz→2.76GHzへと引き上げられ、比較的メモリ使用量が少ないゲームでもパフォーマンスアップが期待できる。ただし、その分TBP(Total Board Power)も165Wから190Wへと25W増加し、ミドルレンジとしてはやや消費電力は大きめだ。
Radeon RX 7600 XTでは、Radeon RX 7600がターゲットにしていたフルHD解像度での高リフレッシュレート環境はもちろん、WQHD解像度でも多くのゲームで60fps以上をクリアできるという |
その他のスペックに変更はなく、製造プロセスは6nm、トランジスタ数は133億、GPUコアはモノリシックチップの「Navi 33」を採用。コンピュートユニット数は32基、AIアクセラレータ数は64基、ストリームプロセッサ数は2,048基、メモリスピード18Gbps、メモリバス幅128bitで、32MBのInfinity Cacheを搭載する。
そんなRadeon RX 7600 XTを搭載するグラフィックスカードが、今回の主役であるSAPPHIRE「PULSE Radeon RX 7600 XT GAMING OC 16GB GDDR6」だ。コストパフォーマンスに優れる「PULSE」シリーズに属するオーバークロックモデルで、市場想定売価は税込58,800円前後と最安クラスながら、原稿執筆時点(2024年2月上旬)で発売されているRadeon RX 7600 XTグラフィックスカードの中では、最速となるゲームクロック2,539MHz、ブーストクロック2,810MHzへとチューニングされている。
またVGAクーラーには、「PULSE」シリーズおなじみのデュアルファンクーラーを搭載。冷却ファンは耐久性に優れる「2ボールベアリングファン」で、GPUやメモリから発生した熱を効率よく拡散する「コンポジットヒートパイプ」を内蔵したヒートシンクを組み合わせることで、オーバークロックモデルながら安定かつ静音動作を可能にしている。
ミドルレンジグラフィックスカードらしく、パッケージサイズは実測で幅320mm、奥行き83mm、高さ165mmと比較的コンパクト。またオーバークロックモデルであることが大きく謳われている |
その他のスペックを確認すると、メモリスピード18Gbps、メモリバス幅128bit、ビデオメモリはGDDR6 16GB、Infinity Cacheは32MBで、いずれもリファレンス準拠。公称TGPも2W増の192Wとされ、オーバークロックによる消費電力への影響はほとんど無いようだ。ちなみに出力インターフェイスは、DisplayPort 2.1×2、HDMI 2.1×2を備え、4画面の同時出力や最高7,680×4,320ドットの超高解像度出力をサポートする。