エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1391
2024.02.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
電源ユニットの搭載テストにはAntec「NE1000G M White ATX 3.0」を用意した。ホワイト筐体のフルモジュラー式で、ATX 3.0/PCIe 5.0に準拠。奥行き140mmのコンパクト設計は扱い易く、もちろんC8 Whiteボディにもマッチする。なお国内市場では2023年11月より販売が開始されている。
電源ユニット搭載スペースは公称で奥行き210mmまで。縦置きはデュアルチャンバー設計の特徴とも言えるが、搭載方法は設置スタイルを問わずリアパネル側からの4点ネジ留め。本体の挿入も大開口部からの作業だけに、難しい説明はいらない。ただし1点気を付けたいのが、ラバー付き「PSU Bracket」が支えになるものの約1.64kgがセミ・フロート状態になる事で、脱落の可能性がゼロではない。きちんと本体を持ち、しっかりとネジ留め作業を行いたい。
なお電源ユニット搭載後のクリアランスは、サイドファン搭載スペースと平行して装着済みの「AIR DUCT PARTITION」までは実測で約130mmだった |
CPUの冷却には、オールインワン型水冷ユニットAntec「Vortex 360 ARGB」をチョイスした。360mmサイズラジエーターは冷却性能を十分に引き出す事ができるトップパネルに設置。ハイエンド志向の構成にも十分対応できるはずだ。
C8はトップパネル(シャーシの一部)の着脱はできないが、強化ガラス製フロントパネルが外れる事で、ずいぶんと搭載作業を楽にしてくれる。それは配線作業も同様で、3基の120mmファンから伸びるケーブル(電源+ARGB=2本x3基分)も近くのグロメット付きスルーホールから背面に通し、なるべく露出を少なく組み込んで行く。
本体を横倒しにした状態での作業が基本だが、光も十分に奥まで届くため、別途ライト等を用意する必要は終始なかった事を付け加えておく。なお搭載後のクリアランスについてはご覧の通り、ポンプ一体型ウォーターブロックがマザーボードのヒートシンクやヒートスプレッダ付きメモリに埋もれる格好だけに、空きスペースを計測するまでもない。
ラジエーターの固定はスリットタイプのネジ穴を利用。ストロークが約65mmあるため、全てのネジが固定できた |
C8の広い内部容積が功を奏し、一見スイスイと作業が進行しているように思えるかもしれないが、実はひとつ面倒な事が起きている。それはオールインワン型水冷ユニットのポンプ一体型ウォーターブロックの組み込み場面だった。
CPUクーラーメンテナンスホールも十分広く、なんの疑いも無く作業を進めてきたワケだが、先に搭載作業を済ませた電源ユニットがちょうど真裏に固定されるためバックプレートが入る隙間がほとんど無い。Vortex 360 ARGBのバックプレートはABS樹脂製で多少弾力があるため無理に押し込もうとしたところで僅かな隙間に滑り込ませる事ができなかった。
ある程度ケーブルの配線を済ませ、結束も終わった段階での出来事はショッキングだったが、やむを得ず電源ユニットを一度外す事になってしまった。「一般的なミドルタワーPCケースでは起こり得えない」とは言い訳で、通常とはことなる設計のPCケースで組み込むならなおさら、”次の一手”を先読みし、時にセオリーとは異なる手順で柔軟に組み込み作業をアレンジする必要がある。