エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1401
2024.03.08 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
A115を逆さまにして、受熱ベースプレートを観察する。プラスチック製のキャップが装着された状態で出荷されるベースプレートには「XTM70サーマルペースト」が塗布されている。複数の三角形の組み合わせで面を作り、全体に満遍なく行き届くよう計算されている。
ちなみに受熱ベースプレートは「High-Efficiency Heat Transfer Copper Cold Plate」と名付けられ「凸型銅製冷却プレート」とも要約されたベース部は、CPUとの密着を確実なものにすることで熱伝導ロスを軽減する設計がなされているという。
なお凸型銅製冷却プレートは唯一シルバー色とし、ニッケルメッキ処理が施されている。またCPUと直接接触する面は実測で幅約43mm、奥行き約39mm、プレート全体は幅約57mm、奥行き約45mm。厚さは最大部で約10mmだった。
ヒートパイプはφ6mmの銅製で、合計6本で構成。ツインタワー型ヒートシンクには、約23mm間隔で一直線にレイアウト。CPUの熱を広いアルミニウム製放熱フィン全体に行き渡るよう最適化されている。この部分こそ、空冷クーラーの冷却性能の決め手となる。
A115に組み合わされる冷却ファンは、2022年7月より単体発売されているカタログモデル「AF140 ELITE」だ。
回転数400~1,600rpm±10%のPWM(4pin)仕様で、騒音値は5~33.9dBA、風量は15.3~84.5CFM、静圧は0.1~1.73mmH2Oとされる。AF140 ELITEはLED非搭載モデルで、実直に風を作り出す事に専念。静音性の高さが謳われ、高耐久な流体軸受ベアリングの採用や、独自のカスタムローター設計、フレームの四隅には共振を抑える目的から防振ラバーが装着されている。なおケーブル長は実測で約600mmと長い。
リブ無しフレーム(25mm厚)のネジ穴部に装着済みの防振ラバー。なお製品資料によると、Flow Typeは「STATIC PRESSURE」とされ、静圧重視タイプである事が分かる |
A115では140mmファンのAF140 ELITEをデュアル搭載させ、強力で直線的なエアフローを構築。その間にヒートシンクを2つ挟み込むという発想だが、マウント方式に「ラチェットスライドロック式ファンマウントシステム」を採用。第1ヒートシンク外側は「Fan rail set」と「Fan screws」を使い、ベースを作る必要があるものの、完成してしまえば出荷時より搭載済みの第2ヒートシンク側共に、工具不要のスライド式で着脱できるようになる。
第2ヒートシンク側は装着済みで出荷される140mmファン「AF140 ELITE」 |
A115のウリのひとつである「ラチェットスライドロック式ファンマウントシステム」。ヒートシンク備え付けのプラスチック製レールに、金属製レール「Fan rail set」を取り付けたAF140 ELITEを装着。スライドロック式が完成する |