エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1404
2024.03.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
受熱ベースプレートは「高精度ベース構造」を採用。厚みのある銅製で、外形寸法は幅43mm、奥行き40mmで、厚さは13.5mm(いずれも実測)だった。なおベースプレートの上部には、出荷時よりメタル製「マウンティングバー」がネジ留めされていた。
MUGEN6を象徴する「干渉回避型デザイン」。この画像では上方向がメモリスロット側、下方向がバックパネル側になる |
マザーボードに固定するリテンションの構成パーツ「マウンティングバー」は出荷時より装着済み |
受熱ベースプレートにはφ6mmヒートパイプが合計6本貫通し、CPUから吸い上げた熱を放熱フィンへと移動させる。空冷CPUクーラーの基本的構造だが、受熱ベースとヒートパイプの密着精度は冷却性能を大きく左右する事になる。
φ6mmヒートパイプは酸化を防止するニッケルメッキ処理が施されている |
MUGEN6(シングルファン)はブラック塗装ではないものの、同じく酸化を防止するニッケルメッキ処理が施されている |
アルミニウム製放熱フィンに貫通するヒートパイプの様子。ヒートシンク全体に熱を拡散させるには、両者の密着具合が重要である事は言うまでもない |
ヒートシンク形状はもとより、組み合わせる冷却ファンも進化した。MUGEN6シリーズに採用される「WONDER TORNADO 120 PWM」は、120mmサイズの26mm厚。サイズS氏によると、従来搭載モデル「KAZE FLEX2」に比べ、静圧を重視した設計が特徴とされている。ここで具体的に前作搭載ファンとスペック比較をしてみよう。
具体的に数字を比較すると、静圧は従来モデルの0.075~1.5mmH2Oに比べ、新モデルは0.05~2.45mmH2Oとなり、大幅に改良されている事が分かる。CPUクーラーに搭載される冷却ファンは、回転数が早ければ(=風量が多ければ)冷却能力が向上するといった単純な事実はあるものの、”両者のバランス”を考慮しなければ、製品としては成り立たない。冷却に必要な風量、常時稼働に耐えられる静音性は、製品の性格を決める重要なファクターだけに、メーカー(または設計者)の裁量が最も表れる部分とも言えよう。
WONDER TORNADO 120 PWMはKAZE FLEX II 120に比べ回転数が高くなっているにも関わらず、静圧が向上し、一方で風量が落ちている。ただし騒音値を抑える事に成功している事実から、「静圧重視」にシフトした冷却ファンであることが理解頂けるだろう。