エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1407
2024.03.31 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まず最初に実行するのは、定番のストレステストである「OCCT」の最新バージョン「OCCT 12.1.17」だ。プリセットはCPUとGPUの両方に同時に負荷をかける「Power」を使用し、テスト時間は30分間に設定して動作させている。
なおテスト中における消費電力は、最大で負荷率90%に達する908Wまで上昇していた。実際の運用シーンでここまでの負荷がかかることはほぼないが、強力な負荷が長時間続いた際に「VERTEX GX-1000 Sakura」がどのような挙動を示すのかを見ていこう。
ATX 3.0のデザインガイドでは、規格上12Vは+5%/-7%までの変動が許容されている。それを考慮して電圧の変動値を見ていくと、ATXとCPUは1%未満の上振れのみ。最も変動が大きかった12VHPWRですら、1%未満の上振れと0.3%程度の下振れに留まっている。さらにどの計測箇所もフルロード中の変動がほとんどなく、常に一定の電圧を維持できている点はさすがだ。
続いては、主にグラフィックスカードに大きな負荷がかかる3Dベンチマーク「3DMark」のストレステスト「Speed Way Stress Test」を実行する。テスト時間は先ほどと同様に30分間だ。
テスト中における消費電力は、「OCCT」からやや落ち着いて最大685Wだった。それでも負荷率は7割に届こうという強力なもので、重量級のゲームタイトルを想定したヘビーな環境における挙動を見ることができそうだ。
最新の技術が盛り込まれ、GeForce RTX 40シリーズに最適とされるベンチマークテストがベースになったストレステスト。その傾向は「OCCT」実行時に近く、ATXとCPUはともに1%未満の上振れに留まっている。12VHPWRの変動幅も「OCCT」とまったく同じで、フルロード中の電圧値は11.96~11.98Vと、ほぼ一定の状態で動作していた。
次はレンダリング系ベンチマークCinebenchの最新版「Cinebench 2024」で復活した、GPU向けテストを実行する。動作モードは、30分間連続して実行する「Minimum Test Duration:30 minutes」を選択した。
ちなみに消費電力は、今回の検証で最も低い最大461W。電源ユニットにとって最も理想的とされる負荷率50%に近い、中量級の負荷がかかっていた。
グラフの波形が大きく忙しなく動いているのは、短いスパンで繰り返しテストが実行されているためだ。負荷をかけてはアイドル時に近い状態に戻り、再びテストが実行される・・・という断続的な負荷がかかる難しいシチュエーションながら、実は変動幅自体はこれまでのテストと同じ。最も変動の大きい12VHPWRでも1%未満の上振れと0.3%程度の下振れに留まっており、かなり厳格な電圧レギュレーションが適用されていることが窺える。