エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1407
2024.03.31 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここからは、実際のゲームプレイに近い負荷をかけるため、長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークを動作させてみよう。最初はファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークテストをチョイス、これまで同様に30分間連続で実行した。グラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットと、最も高い負荷がかかるように設定している。
なお、テスト実行中の消費電力は最大で625Wだった。GeForce RTX 4090のOCモデルを組み込んでいるため、全体的に消費電力は高めになっている。
「Cinebench」と同様に、やはりベンチマークのフェーズごとに頻繁なロードを挟むことから、主に12VHPWRが大きく変動している。しかし変動幅を確認すると、わずか0.1Vの違いながらこれまでの検証で最小。断続的に負荷が続くシチュエーションにおいて、常にほぼ一定かつブレの少ない挙動を示している。
最後は同じく長時間ループに対応したゲーム系ベンチマークから、より高負荷な「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを実行する。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択、解像度は3,840×2,160ドットで、30分間連続でテストを動作させた。
ちなみに消費電力は最大657Wで、1000Wモデルの「VERTEX GX-1000 Sakura」にとって60%を超える負荷がかかっていた。
テストごとに動作パターンが異なるものの、全体の変動幅自体はほとんど同じ。ATXとCPUは1%未満の上振れに留まり、変動の大きい12VHPWRでも1%未満の上振れと0.3%程度の下振れのみ。デザインガイド上で許容される数値と比べれば、かなり微細な変動で済んでいることが分かる。負荷の大きさや頻度が異なる場合でもブレずに動作するという、「VERTEX GX-1000 Sakura」の高い信頼性が確認できた。
唯一無二な桜デザインのビジュアルが「VERTEX GX-1000 Sakura」の特徴ながら、人気モデルがベースとあって動作も堅実。すべての負荷テストで電圧変動がほぼ同数値かつ微細な範囲に留まるなど、優れた信頼性を証明してくれた。大口径ファンもほとんど動作音を感じさせない静粛さであり、異色のデザインというだけに留まらない、電源ユニットに本来求められる性能を兼ね備えた秀作と言える。
もちろん華やかな外観は「VERTEX GX-1000 Sakura」にとっての大きなウリであり、導入するなら可能な限り露出できる環境を用意したいところ。外装のビジュアルに合わせるようにケーブルもホワイト×ピンクのツートンで、(一部を除く)コネクタまでホワイトで揃えるという念の入りよう。シュラウドで隠してしまうのはもったいなく、むしろオープンフレームのような環境にマッチするかもしれない。特別なデザインを最大限に活かせるパーツを組み合わせ、華やかで上品なマシンを組み上げたい。
提供:シリアルテックジャパン株式会社