エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1412
2024.04.12 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
テストセッションのラストはサーモグラフィの結果を確認していこう。PL1/PL2=253Wに設定し、アイドル時は起動してから10分間放置した際の温度を、高負荷時は「Cinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」を実行して20分経過した際の温度を撮影している。
アイドル時のサーモグラフィ |
高負荷時のサーモグラフィ |
アイドル時、高負荷時ともヒートシンクよりヒートパイプの温度のほうが高く、CPUから発生した熱がヒートパイプを通じて拡散している様子が確認できる。またフレッシュな外気が吹き付けるメモリスロット側のヒートシンクより、暖気が吹き付けるリアインターフェイス側のヒートシンクのほうが全体的に温度が高い順当な結果になった。
全身ブラックに化粧直しを施した「NH-D12L chromax.black」。以前実施したNH-D12Lの検証結果(Core i7-12700K、Ryzen 9 5950X/Ryzen 7 5800X)からその冷却性能は把握していたが、今回はCore i7-14700の検証により、NH-D12L chromax.blackの変わらぬポテンシャルを知る事になった。電源ケーブルに接続するだけで冷却ファンの回転数が減速できる「L.N.A」も通常の用途であれば積極的に使用しても問題はない。むしろメリットが目立つのは、NH-D12Lそのものの性能が高いことを表している。
検証結果は流石にNoctuaだが、ひとつ気掛かりは国内市場での販売価格。国内代理店である株式会社サイズ(本社:千葉県松戸市)に確認すると、国内正規品の流通は5月中になるようだ。為替の状況によるものの執筆時点(4月11日)、ベースモデルであるNH-D12Lは実勢価格が税込約13,000円前後。そしてこれまでの慣例に当てはめると、Noctua発表によるchromaxシリーズの想定売価はおよそ3割ほど高くなる傾向にある。真のNoctuaファンなら気にならないだろうが、とかくCPUクーラーは冷却性能だけでなく、所有欲を満たすブランド価値など、付加的要素が入り込む”奥の深いPCパーツ”になりつつある。
協力:Noctua