エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1414
2024.04.26 更新
文:編集部 池西 樹
MSI「SPATIUM M580 PCIe 5.0 NVMe M.2 2TB FROZR」 市場想定売価未定(2024年5月中旬発売予定) 製品情報(MSI) |
今回の主役である「SPATIUM M580 PCIe 5.0 NVMe M.2 FROZR」(以降:SPATIUM M580 FROZR)は、帯域幅128Gbps(理論値)のPCI Express 5.0(x4)接続に対応するMSIの最新フラッグシップNVMe M.2 SSDだ。
豊富なラインナップが揃うMSIのSSDだが、今回の主役である「SPATIUM M580 FROZR」はその中でも最も高速なフラッグシップモデルに位置づけられている |
今年2月に国内発売が開始された「SPATIUM M570 PRO PCIe 5.0 NVMe M.2 FROZR」の後継モデルにあたる製品で、定番のPhison製PCI Express 5.0(x4)コントローラ「PS5026-E26」と、最新世代の232層3D NANDフラッシュという組み合わせはそのままにファームウェアの最適化等によってシーケンシャル読込は最高12,400MB/s→14,600MB/s、書込は最高11,800MB/s→12,700MB/sへとさらに高速化されている。
PCI Express 5.0(x4)接続のNVMe M.2 SSDの中でも最速クラスとなる読込14,600MB/s、書込12,700MB/sの高速データ転送に対応 |
そして冷却機構には、同社のグラフィックスカードでも採用されている「Core Pipe」技術によるφ6mm×3本のヒートパイプと、大型のアルミニウムフィンを組み合わせたパッシブヒートシンクを搭載。これにより、SSDの温度は最大20℃前後低下し、高負荷時でもサーマルスロットリングの発生を抑え、最速クラスの転送速度を安定して発揮できるという。
MSIの社内テストの結果。「Core Pipe」技術による大型ヒートシンクのおかげで、ファンレスながらサーマルスロットリングによる速度低下なく安定したパフォーマンスを発揮できるという |
ただし、その分全高(公称)は71.65mmとされ、NVMe M.2 SSDとしてはかなり背が高い。M.2スロットからははみ出ないように設計されているものの、隣接スロットにグラフィックスカードを搭載する場合には、干渉しないようバックプレートの厚さは4.5mmまでに制限されている。
背が高いため、グラフィックスカードとの干渉には注意が必要。とは言え、実際にバックプレートが4.5mm以上ある製品はそれほど多くないとのこと |
グローバル市場でのラインナップは1TB、2TB、4TBの3モデル展開で、キャッシュはDRAMキャッシュバッファと、NANDフラッシュの一部をSLCとして運用するSLCキャッシュに対応。またデータの整合性や信頼性を確保するためLPDC ECCやエンドツーエンドデータ保護機能を備える。さらに「MSI Center」の「System Diagnosis」からは、SSDのステータスをリアルタイムに監視したり、Actiphyのバックアップ・レストアツールが使用できる。
「MSI Center」の「System Diagnosis」からはSSDのステータスをリアルタイムに確認できる |
Actiphyのバックアップ・レストアツールも使用可能 |
なお今回検証する2TBモデルのスペックは、シーケンシャル読込最高14,600MB/s、書込最高12,700MB/s、キャッシュ容量はLPDDR4 4GB、総書込量は1,400TBW、MTBFは160万時間で、ハイエンドモデルらしく5年間の長期保証が提供される。
ブラックを基調に大きく製品画像がデザインされたパッケージ。表面の右上には容量とシーケンシャル性能が記載されたシールが貼り付けられている |