エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1414
2024.04.26 更新
文:編集部 池西 樹
コントローラの発熱が多いPCI Express 5.0(x4)接続のNVMe M.2 SSDでは、ファン付きクーラーを標準装備している製品もある。一方で、「SPATIUM M580 FROZR」ではグラフィックスカードでも採用されている「Core Pipe」技術を取り入れたヒートパイプ付きヒートシンクを採用することで、ファンレス動作でもサーマルスロットリングによる速度低下を抑えることができるという。そこで、テストセッションのラストは気になる冷却性能を確認しておこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiBにして、3回連続で実行している。
テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | テスト3回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
SSDベンチマークの中でもかなり負荷の高いテストだが、SSDの温度は最高64℃で頭打ちになり、「SPATIUM M580 FROZR」に実装されている大型ヒートシンクの冷却性能はとても優秀だ。もちろんサーマルスロットリングによる速度低下も一切なく、ファンレス駆動でも安定したパフォーマンスを発揮できる。
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
そしてサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートパイプ部分の温度が周囲のヒートシンクよりも高くなっており、SSDのコントローラやNANDフラッシュから発生した熱がヒートパイプを経由して移動していることがわかる。
従来モデルを圧倒するパフォーマンスの一方で、どうしても発熱の問題がつきまとうPCI Express 5.0(x4)SSD。最近ではマザーボードのヒートシンクも大型化され、短時間の処理であればパフォーマンスを維持できるものも増えている。しかし、長時間負荷がかかる処理ではどうしても力不足は否めず、サーマルスロットリングによる速度低下を抑えるためには、ファン付きクーラーを使用する必要があった。
そんな中登場した「SPATIUM M580 FROZR」だが、「Core Pipe」技術を採用した大型ヒートシンクを実装することで、ファンレスながらPCI Express5.0(x4)SSDの発熱を完全に抑え込むことに成功している。その分、サイズも大型化しているため、グラフィックスカードやCPUクーラーとのクリアランスには注意が必要だが、その点さえクリアできれば、ファン付きクーラーのようにノイズや配線の取り回しに悩まされることはない。
さらにパフォーマンスについても、シーケンシャル読込・書込ともインターフェイスの限界に迫る性能を発揮する。ランダムアクセスについても現行モデルの中では間違いなくトップクラスで、ハイエンドなゲーミングPCやクリエイターPCを構築するなら間違いなくおすすめできる製品だ。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社