エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1418
2024.05.04 更新
文:編集部 池西 樹
テストセッションのラストは「SFT4000G」の発熱をチェックしていこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiBにして、3回連続で実行。標準装備の薄型ヒートシンクのみの場合と、「X670E Taichi」に付属するヒートシンクを組み合わせた場合の2種類でテストを実施し、それぞれStandard ModeとGaming Modeで計測を行っている。
Standard Mode設定時の「CrystalDiskMark 8.0.4」結果 | Gaming Mode設定時の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
Standard Mode設定時のサーモグラフィの結果 | Gaming Mode設定時のサーモグラフィの結果 |
今回はM.2スロット周辺に全くエアフローのない過酷な環境でテストを行っていることもあり、SSD標準のヒートシンクではStandard Mode、Gaming Modeいずれの設定でもSSD温度は80℃まで上昇し、サーマルスロットリングが発生する。ただし、Standard Modeのほうが全体的に温度上昇は緩やかで、速度低下の割合も低くなった。
サーモグラフィの結果もStandard Modeより、Gaming Modeのほうが最高温度は約3℃、平均温度が約2℃高いことから、別途ヒートシンクの搭載が難しく、エアフローにも期待ができないノートPCやNUCなどで使用する場合はStandard Modeの設定がいいだろう。
フロントファン搭載時の「CrystalDiskMark 8.0.4」結果 | フロントファン搭載時のサーモグラフィの結果 |
ちなみに一般的なタワー型PCケースでの運用を想定して、フロントに120mmファン(回転数は約800rpmに固定)を搭載した状態でStandard Modeによる負荷テストを実施したところ、一気に温度が低下し最高温度は57℃だった。サーマルスロットリングによる速度低下もなく、ケース内のエアフローが確保できる状態であれば、標準装備の薄型ヒートシンクでも冷却性能が不足することはない。
「X670E Taichi」に標準で取り付けられているM.2ヒートシンクを使用した場合でも検証を行った |
Standard Mode設定時の「CrystalDiskMark 8.0.4」結果 | Gaming Mode設定時の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
Standard Mode設定時のサーモグラフィの結果 | Gaming Mode設定時のサーモグラフィの結果 |
「X670E Taichi」に標準装備されているヒートシンクを組み合わせたところStandard Mode時で最高54℃、Gaming Modeでも最高57℃で頭打ちになり、サーマルスロットリングを完全に解消することができた。「SFT4000G」の発熱はPCI Express 4.0(x4)接続のSSDとしては大人しく、マザーボードの標準ヒートシンクや、数百円から購入できる小型ヒートシンクを組み合わせるだけで、完全に抑え込むことができるだろう。
専用ユーティリティを使いStandard ModeとGaming Modeを切り替えて使用できるユニークな機能を搭載したCFD「SFT4000G」。Gaming ModeではCFDの謳い文句通り、シーケンシャルアクセスは最大約20%高速化され、ミドルレンジクラスの製品と遜色のない性能を発揮する。また安定性についてもランダムアクセスではやや大容量データを苦手にしているものの、シーケンシャルアクセスについては読込、書込ともほぼブレがなく常に一定の転送速度が期待できる。
そしてPCI Express 4.0(x4)接続のSSDながら発熱が控えめなのも大きなメリット。さらに薄型ヒートシンクのお陰で熱伝導効率も向上しており、マザーボード標準のヒートシンクを組み合わせることで、サーマルスロットリングを完全に押さえ込むことができる。
また為替の関係などで高騰が続くPCパーツにあって、PCI Express 4.0(x4)接続のSSDの中では最安クラスというのも嬉しいところ。できる限りコストを抑えてPCを組みたい人や、SATA 3.0 SSDやPCI Express 3.0(x4)SSDからのアップグレードを狙っているならおすすめできる製品だ。
協力:CFD販売株式会社