エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1419
2024.05.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部
登場以来、一気に人気に火が付くかと思いきや、今ひとつ着火しない「背面コネクタマザーボード」。自作PCにとって、長く決められた路線を変える大きなトピックである事は間違いない。こうして執筆中にも複数の紹介記事が公開されているが(遅くてスミマセン)、大きなうねりになるほどの状況には至っておらず、どうやら様子見という人が多いようだ。ややネガティブなスタートだが、筆者はたいへん期待している。
そもそもマザーボードの設計改良はできても、これを収納するPCケースがなければせっかくのアイデアも成立しない。これを実現できるのは、基幹パーツを市場に送り出す力のある大手メーカー以外に無い。そこに真っ先に手を挙げたMSIは賞賛すべきだし、良くも悪くも聞こえてくる声を気にせず、定着するまで是非やり続けて欲しい。
とにもかくにも、背面コネクタPC構築の要はマザーボードだ。今回取り上げる「B760M PROJECT ZERO」は、2024年4月12日に国内プレスリリースが配信され、4月19日より販売が開始された。
MSI「B760M PROJECT ZERO」 市場想定売価税込36,980円(2024年4月19日発売) 製品情報(MSI) |
型番から分かるように、Intel B760チップを搭載するMicroATXマザーボードで、新設された「PROJECT ZERO」シリーズに属する第1弾となる。ちなみにAMD B650チップを搭載する「B650M PROJECT ZERO」(市場想定売価税込36,980円)も同時発売されている。なおATX規格の「Z790 PROJECT ZERO」も既にMSIの製品サイトには掲載されており、国内での販売開始も間近だろう。
このマザーボードに限っては、主役は裏面だろう。要所をよく見ると従来表面にあるべきコネクタのほとんどが背面にレイアウトされている事が分かる |
まず目に付くのがATX24pinコネクタ。これまでマザーボード表面で最も目立つメインケーブルを背面に移動できるだけでも相当なトピックだ |
一部で「はんだの跡が惜しい」という声はあるものの、組み込み後で露出するのはこの程度。ここは許容範囲だろう |
CPU 8pinコネクタ | システム・ポンプ・CPU各冷却ファン用コネクタ |
SATAコネクタは4ポート。なおSATA_8はM2.SATA SSDをM2_2スロットに搭載すると無効になる | 通常右下にレイアウトされるお馴染みのヘッダ類 |
唯一基板表面に装備されている「JTPM1: TPMモジュールコネクター」 |
外装パッケージはいわゆるスリーブ箱を採用。マザーボードがプリントされたスリーブから黒いパッケージを引き出し、これを開くと内部には静電防止袋に包まれたマザーボードが収納されている。ちなみにパッケージサイズは実測で幅約290mm、縦約280mm、厚さ約75mmだった。
そして内部の黒いパッケージを開き、マザーボードを取り出すと底面に溝がある事に気が付く。背面コネクタマザーボードは通常のマザーボードと違い、無造作に平面に置く事ができない。そこでピンやコネクタ部を避ける溝を設けることで、CPUやメモリといった構成パーツの取り付けができるというワケだ。
パッケージ底面に設けられた溝。背面コネクタのピンを避けるためのもので、この上にマザーボードを設置することで簡単な作業を行う事ができる |
次に付属品を確認しておこう。とは言え内容物は至ってシンプルで、「スタンド式Wi-Fiアンテナ」「SATA 6Gb/sケーブル」さらに「Quick Install Guide」「ケーブルステッカー」など。なおマニュアルは付属せず、製品サイトに公開されているPDFマニュアルを閲覧する事になる。
スタンド式Wi-Fiアンテナ | SATAケーブル |
冊子タイプのマニュアルは付属していない |