エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1419
2024.05.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部
次に冷却ファンレイアウトをチェックしておく。マザーボードトレイ右手の縦列には標準で120mmファン3基が搭載されている。乳白色ブレードの9枚羽仕様。ARGB LEDを内蔵した「リバースブレードファン」で、フレッシュな外気を筐体内部に取り込む重要な役割を担っている。なおスペック表によるとラジエーターは搭載できない。
ピラーレスデザインのPCケースの多くはフロントがガラスだけに、吸気を右側面に設置するパターンが多い。合わせて右サイドパネルも通気孔仕様になっており、外観デザイン上の共通点とも言えよう。
トップパネルのシャーシ面には120mmファンが3基、または140mmファンが2基増設可能。さらにラジエーターも120/240/360mmサイズが設置できる。右サイド部にラジエーターが設置できない事から、冷却に水冷をチョイスする場合、このスペースを利用するパターンが圧倒的に多くなるはずだ。
トップパネルに360mmサイズラジエーターを設置した様子。ネジ穴はスリットタイプで、左側面を軸に、右手には120mmと140mmファン用のネジ穴が設けられていた |
リア部には出荷時より120mm ARGBファンが装備されている。右サイドファンと酷似しているが、こちらのエアフロー方向は標準タイプで、筐体内部の熱を常時外部へ排出する役割を果たしてくれる。また140mmファンへの換装、さらに120/140mmサイズラジエーターの設置にも対応している。
マニュアルによると、ボトムカバー(シュラウド)の天板部分にも、120mmファンが2基増設可能とある。天板を通気孔仕様にするパターンは多く、さらに4つのネジ穴さえ設ければ冷却ファンの増設スペースとしても準備がしやすい。一方で実用性を考えると、積極的に冷却ファンを増設する人は少数かもしれない。
少なくとも後方のマウントスペースは、電源ユニットで通気孔がほぼ塞がれてしまう。前方もグラフィックスカードの直下になり、効果的な冷却の役割はやや想像がしにくい。
複数の冷却ファンが搭載できるPCケースであれば、電源供給(およびアドレサブルRGB)が一括で賄えるハブの存在は大きい。標準装備品の「ARGB & ファン分岐基板」は、4基分のARGBファンに対応する基板=ハブで、CPUクーラーメンテナンスホール下のエリアに搭載されている。
出荷時よりサイドファンとリアファンの計4基は接続済みで、マザーボードに4pinファンコネクタとARGBコネクタ各1口、電源ユニットにSATA電源コネクタを1本接続する事で使用できるというもの。さらにLEDコネクタも接続済みで、右側面下に装備するLEDスイッチにより、イルミネーションの切り替えに対応する。
特に裏配線スペースの利用がキモになるPCケースだけに、「ARGB & ファン分岐基板」は重要な役割を果たしてくれる。一方でトップ部にラジエーターを搭載する場合など、増設用のコネクタは別途配線が必要になる事を覚悟しなければならない。
基板は幅約115mm、高さ約18mm。マザーボードトレイからはスタンドオフ(台座)x2本により固定され、約15mmほど浮いた状態でマウントされていた |
ストレージ収納力は必要最低限。とは言えモデル特有というよりも、ミニタワーPCケースたる規格を考えれば許容範囲かもしれない。場所はマザーボードトレイ背面で、ちょうどCPUクーラーメンテナンスホールを塞ぐ格好でブラケットが固定されている。
ブラケットには2.5インチSSDおよび3.5インチHDD用のネジ穴があり、2.5インチSSDx2台または2.5インチSSDx1台+3.5インチHDDx1台がベタ置きで固定できる。
ハンドスクリュー1本で固定されたストレージ固定用ブラケット。複数のネジ穴にはSSDまたはHDDを示す文字が刻まれている |