エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1420
2024.05.10 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最後にThe Tower 300のオプション品を用意し、搭載テストを実施した。「3.9 inch LCD Screen Kit」は、正面下部にある通気孔仕様のスチール製パネルを専用パネルに交換し、本体をネジ留めする。
3.9 inch LCD Screenに合わせてカットされた「Bottom Front Panel」はThe Tower 300側の付属品で、これにスクリーンユニットを2本のネジで固定。USBケーブルを接続すればセッティングは完了する。あとは管理ソフトウェア「TT RGB Plus 2.0」をダウンロードすれば、システム情報のリアルタイム表示や好みの画像ファイルを表示するなど、カスタマイズを楽しむ事ができる。
Bottom Front Panelに本体をネジ留め。付属USBケーブルをマザーボードのUSBヘッダピンに接続すれば搭載作業は完了。実に簡単な手順で増設ができる |
USB給電により動作。接続後はThermaltakeのロゴが表示される |
The Tower 300本体をゴロンと斜め横に寝かせた状態で設置できる「Chassis Stand Kit」もユニークな存在だ。キット内容はプラスチック製の台座と2つのディスプレイスタンド、さらにThe Tower 300ボトム面の交換用パネル。
まず台座に2つのディスプレイスタンドを装着し台座を完成させる。次に4本のネジで固定されているThe Tower 300側の台座とダストフィルターを外し、交換用パネルに付け替えれば準備は完了。既にズッシリ重たい本体を慎重に横倒し状態にして台座にセットする。なおオールインワン型水冷ユニットを搭載している場合、ラジエーターを「上」にした状態で設置するよう推奨が記されていた。
The Tower 300の台座とダストフィルターを外した状態。これにキット付属の交換用パネルを装着する。キット内容に交換用パネルが存在するため、オプション品ながら全色分が用意されている |
展示会レポート記事や製品サイト等、既にお馴染みの設置スタイルだが、実際に目の当たりにすると悪くない。まずは見た目の斬新さと、なにより3面強化ガラス製のショーケース風筐体のコンセプトにマッチしている。全高分が幅になるため設置スペースはそれなりに必要だが、デスク回りを演出するインパクトのある水平設置スタイルは、きっと試してみたくなるに違いない。
The Tower 300は楽しいPCケースだった。このスタイルは他にも例があり、”初めて見たインパクト”のようなものは無いはずだが、それに近い感覚があった。MicroATX規格までのある意味でミニタワーだが、迫力は断然ミドルタワーで、横置きにするとかなり広いスペースが必要になってくる。この作業場にはまず設置できない。
かといって、縦置きで足元に置くと3面強化ガラスがあるだけに、万一の蹴り込みもコワイから、やはりデスクの上が正解だろう。そうなればショーケース風筐体の本領発揮だ。
中央にマザーボードを置き、その両脇にラジエーターとグラフィックスカードを垂直に配置したことで、バランスの取れた安定感が際立っている。設置面と水平状態になるメモリも、それを感じさせる視覚的効果の一部要素となり、完成した左右対称=シンメトリーな内部が3面強化ガラス越しに前面に広がる。計算つくされたThe Tower 300の設計は、非常に完成度が高い。
最後にひとつくらいマイナス点を挙げておきたいところだが、これといって見当たらない。欲を言えばトップパネルの開閉機構は「湯沸かしポット式」ではどうだろうか。バックパネルのアクセスは多少面倒だから、使い手の負担を少しでも軽減させるには、ワンタッチでロックが解除でき、跳ね上げ式で開放状態になる。冷却ファンブラケットはそのままだが、ケーブルの抜き挿しがもっと日常の行動として自然に近くなるだろう。
提供:Thermaltake Technology
株式会社アスク