エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1424
2024.05.24 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
さて、ここからは「NH-L12Sx77」を実際にPCに組み込み、その本分である冷却性能をチェックしていこう。テスト用のCPUは第14世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-14700で、Power LimitはPL1(Long Duration Power Limit)=65W/PL2(Short Duration Power Limit)=219WとPL1/PL2=219Wに設定し、L.N.Aを使用した状態でもテストを実施。またファンは初期設定(以降:デフォルトモード)に加えて、ヒートシンクの上にファンを実装する「ハイクリアランスモード」でも計測を行った。
なおストレステストは「OCCT 13.0.0:CPU:データセット大」と「Cinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」を使い、CPU温度はCPU Packageの数値を、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をCPUクーラーから30cmの距離に設置して計測した。
Power Limitの設定はUEFI BIOSからPL1とPL2を直接設定した |
テスト用のCPUはPコアが8コア/16スレッド、Eコアが12コア/12スレッドのCore i7-14700で、マザーボードにはASRock「790 NOVA WiFi」を使用した |
Package PowerはPL1=65W/PL2=219W(左)とPL1/PL2=219W(右)の2種類の設定でテストを行った |
それではまず、Core i7-14700の標準設定であるPL1=65W/PL2=219Wの設定時の冷却性能を確認していこう。
PL2=219W動作になる冒頭約30秒間は瞬間的に70℃前後まで上昇するが、Package Powerが65Wに移行したあとは、CPU温度はおおむね55℃前後で推移する。またL.N.A使用時でも平均温度の差は約1℃、Package Powerや動作クロックにも違いはなくNon-Kモデルを定格で運用する場合には、L.N.Aを使用しても動作に全く問題はない。
L.N.Aなしのファン回転数は1,200rpm弱、ノイズレベルは30dBA弱、L.N.A使用時はファン回転数1,050rpm前後、ノイズレベル28dBA前後で、デジタルサウンドメーターでの計測では若干差がついた。ただし、実際テスト時に聞こえてくる風切音には明確な違いはなく、いずれの設定でもノイズは全く気にならなかった。