エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1429
2024.06.17 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
最後にPL1/PL2をCore i7-14700KやCore i9-14900KのMaximum Turbo Powerである253Wに設定した状態でもチェックしていこう。
CPU温度はいずれのテストでも概ね86℃前後で推移し、CPUが許容する最大温度100℃に達することは一度もなかった。「MYSTIQUE 360」であれば、Core i9-14900KをMaximum Turbo Powerで動作させた場合でも冷却性能が不足する心配はないだろう。
PL1=125W/PL2=253W設定時の「CINEBENCH 2024」スコア |
PL1/PL2=253W設定時の「CINEBENCH 2024」スコア |
また「CINEBENCH 2024」のマルチコアテストのスコアを確認するとPL1=125W/PL2=253Wの設定から約20%上昇しており、Core i9-14900Kでは定格動作の範囲内でもCPUクーラーの冷却性能によって、引き出せるパフォーマンスが大きく変化する。
ファンの回転数、ノイズレベルともPL1/PL2=181Wの設定と傾向はほぼ同じ。「MYSTIQUE 360」ならCore i9-14900Kの性能を引き出しながら、静粛性にも配慮したPCを構築することができる。
ディスプレイを搭載した360mmサイズラジエーターのオールインワン型水冷ユニットとしては破格とも言えるDeepCool「MYSTIQUE 360」。冷却性能については、Core i9-14900KのMaximum Turbo Power動作でも全く不安はなく、他社のハイエンドモデルに匹敵するパフォーマンスを発揮してくれた。また2,000rpmを超える高速ファンを搭載しながら騒音値は50dBA未満に抑えられ、このクラスの製品としては静粛性も良好だった。
そして最大の特徴でもある2.8型ディスプレイだが、表示は鮮明で発色も良好。カスタマイズ項目も豊富で、機能面で不足を感じることはなかった。唯一、設定した内容を反映するには「DeepCreative」を起動しておく必要があるのは要改善だが、正直それ以外に大きな欠点は見当たらない。
それでいて税込30,000円を切る「MYSTIQUE 360」は、価格面の問題からディスプレイを搭載したオールインワン型水冷ユニットを諦めていた人にとって、まさに待望の製品になるだろう。
提供:Deepcool Industries
株式会社アユート