エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1434
2024.06.29 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Thermaltake「TOUGHPOWER GF A3 850W」(型番:PS-TPD-0850FNFAGJ-H) 市場想定売価税込20,980円(2024年5月発売) 製品情報(株式会社アスク)(Thermaltake) |
今回取り上げるのは、Thermaltakeより5月末に日本市場で販売が開始されたフルモジュラータイプの電源ユニット「TOUGHPOWER GF A3」シリーズだ。容量はグローバルでは650W~1200Wまでのバリエーションがあるところ、国内向けには750Wと850Wの2モデルに絞った展開になっている。
まだ会場の熱気が記憶に新しいCOMPUTEX TAIPEI 2024において、Thermaltakeは大型ブースを展開。電源ユニットも複数製品を持ち込んでいた |
最大90%の電力変換効率をもつ80PLUS GOLD認証取得のメインストリーム向けモデルで、より厳格に89~91%未満の効率を認定するCybenetics PLATINUM認証も取得。当然ながら最新の製品とあってATX 3.0に準拠するほか、PCI Express 5.0に対応し12VHPWRコネクタも標準装備する。
シリーズの立ち位置としては、コストパフォーマンスを重視するユーザーに向けたお手頃モデルといったところ。その傾向は内部設計にも反映されており、メインコンデンサに日本メーカー製の105℃品を採用する一方で、二次側には台湾メーカー製を搭載。信頼性とコストのバランスを考慮した、いわばハイ・ローミックスな構成になっている。
グローバルでのリリースからやや期間を明けて、先ごろ日本市場での販売がスタートしたばかりの「TOUGHPOWER GF A3」シリーズ。コストを抑えた堅実な設計と、静粛な冷却機構を特徴としている |
基本設計はハーフブリッジLLC回路やDC/DCコンバータを組み合わせるスタンダードなもので、+12Vは最大出力70.8A(850Wモデル)のシングルレーン仕様。冷却機構は静粛な動作に定評のある、120mm径の流体軸受けファンが組み込まれている。
ちなみにこの製品は、Cybenetics Labsの静音認証においてLambda A-(115V)を取得。“ささやき声”レベルの25~30dBAで動作する、極めて静かな電源ユニットであることが認証されている。
さらに低負荷時にファン回転を停止する「Smart Zeroファンモード」にも対応。効果的に騒音を抑えられるほか、背面にはセミファンレス機能のON/OFFを切り替えるスイッチを搭載、常時回転を選択することも可能だ。
落ち着いたデザインを採用する「TOUGHPOWER GF A3」シリーズのパッケージ。各種適合規格や保証期間、外形寸法や基本仕様など、必要な情報がほぼ網羅されている |
そのほかMTBFは100,000時間とされ、過電流保護(OCP)/過電圧保護(OVP)/低電圧保護(UVP)/過負荷保護(OPP)/ショート保護(SCP)/過熱保護(OTP)の各種保護回路を搭載。メーカー保証は10年間の長期保証が提供される。
なお今回は、株式会社アスクより850Wモデルの「TOUGHPOWER GF A3 850W」を借り受け、検証を進めていく。