エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1435
2024.07.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
外装周りを総点検したところで、Constellation C5 ARGBの内部構造を見て行く。外装はピラーレスデザインが特徴で、内部構造はデュアルチャンバー設計と背面コネクタマザーボードへの対応がセールスポイント。合計7基のARGBファンの標準装備もトピックだ。
Constellation C5 ARGBの対応マザーボードは、ATX、MicroATX、Mini-ITX。マザーボードトレイには合計9本のスタンドオフ(台座ネジ)が装着済みだった。ちなみにマザーボード搭載時の位置決めに便利な「段差付きスタンドオフ」は搭載されていなかった。
そして忘れてはならないのが、背面コネクタマザーボードへの対応。マザーボードトレイをよく見ると通常よりカットアウト部分が多い事に気が付く。これらはASUSの「BTF」およびMSIの「PROJECT ZERO」が展開する背面コネクタマザーボード用の穴で、スタンドオフにネジ留めするだけで、全ての背面コネクタが裏配線スペースへ露出できるというワケだ。
リンクスインターナショナルの製品サイトによると、2024年4月現在の対応マザーボードは以下通り。マザーボードメーカー次第では、今後搭載できるマザーボードが増えていくハズだ。経験上、背面コネクタマザーボードは裏配線スペースがポイントで、30mm程度に留まる通常のミドルタワーPCケースに比べ、デュアルチャンバー設計は圧倒的に有利だ。
とかくピラーレスデザインPCはフロントパネルが強化ガラスだけに、冷却ファンが搭載できない事がネックとも言える。見映えとの引き換えはその他の箇所が補う事になるワケだが、Constellation C5 ARGBのエアフローレイアウトはどのように設計されているのか。「VERTICAL COOLING」と称された冷却機構にスポットを当てていこう。
フロントに冷却ファンが搭載できないピラーレスデザインPCケース。頼りになるのがトップパネルだ。天板の大判ダストフィルターを外すとハニカム状の通気孔とスリットタイプのネジ穴が露わになる。ここには120mmファンが3基、または140mmファンが2基増設できる。またラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズをサポートし、オールインワン型水冷ユニットをチョイスした場合の多くは、トップパネルを使う事になるだろう。
なお資料によると、ラジエーターの表裏に冷却ファンを搭載する「push pull radiator」を搭載した場合、メモリスロットへの干渉が注意事項として明記されている。両者を共存させるには、メモリ高を35mm以下にする必要があり、ハイエンド志向の大型ヒートスプレッダ付きメモリは搭載ができない。とは言え、冷却ファンを片面に実装するパターンが一般的なので、頭の片隅にある程度でいいだろう。
ハニカム状の通気孔とスリットタイプのネジ穴。なお通気孔に目を凝らすと、僅かに見える縦の直線が45°glass beveling technologyの継ぎ目部分に該当する |
エアフローレイアウトにおけるピラーレスデザインPCケースもうひとつの特徴は、サイドファンの存在。同スタイルのPCケースのほとんどが、フロントに近い右側面の縦列を冷却ファンおよびラジエーターの搭載スペースに割り当てている。
Constellation C5 ARGBでは標準で120mm PWM ARGB reverse fan(逆回転ファンの正式名称)が3基搭載されており、140mmファン2基への換装にも対応。ラジエーターは120/140/240/280mmサイズが設置できる。冷却ファン非搭載の「Constellation C5」を選ばないユーザーなら、サイドファンを換装したり、ラジエーターを搭載する人は稀だろう。
ちなみに資料によると、サイドファン部にラジエーターを設置する場合、冷却ファンを含め75mm厚以下にする必要がある。”これ以上”にした場合グラフィックスカードへの干渉を起こし、共存ができない。とは言え、多くのオールインワン型水冷ユニットのラジエーターは27mm厚で、冷却ファンは25mm厚が定番。75mm以下を意識する必要はなさそうだ。