エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1436
2024.07.11 更新
文:編集部 池西 樹
テストセッションのラストは、PL1/PL2をCore i7-14700KやCore i9-14900KのMTPである253Wに設定した状態で検証を行っていこう。
いずれのテストでもPackage Powerはしっかり253Wまで上昇しているにも関わらず、CPUの温度は80℃前半で頭打ちになる。瞬間的に温度が上がるスパイク値も最大90℃までしか上がらず、「MasterLiquid 360 Atmos」ならCore i9-14900Kの定格動作はもちろんのこと、あくまで自己責任にはなるがオーバークロックでの運用も十分視野に入る冷却性能を備えている。
PL1=125W/PL2=253W設定時の「Cinebench 2024」スコア |
PL1/PL2=253W設定時の「Cinebench 2024」スコア |
また「Cinebench 2024」のマルチコアテストのスコアを確認するとPL1=125W/PL2=253Wの設定から約15%上昇している。CPUクーラーの冷却性能さえ十分なら、CPUの定格動作内のPower Limitでもマルチスレッド性能を大きく引き上げることができる。
ファンの回転数は約2,250rpmまで上昇しているが、ノイズレベルは最高でも45dBA前後で、2,000rpmを超える冷却ファンを搭載する360mmサイズラジエーターのオールインワン型水冷ユニットとしては控えめ。さすがに静音というわけではないが、PCケースに入れてデスクの下に設置してしまえば、それほど気にならないだろう。
今回は人気の360mmサイズラジエーターを採用するオールインワン型水冷ユニットCooler Master「MasterLiquid 360 Atmos」をチェックしてきた。
税込20,000円前後というミドルレンジクラスの価格設定ながら、Core i9-14900KのMTP動作でも80℃前後に抑え込むなどハイエンドモデルに匹敵するパフォーマンスを発揮し、ターゲットにしているメインストリーム向けCPUであれば冷却性能が不足することはない。さらにノイズレベルも45dBA前後に抑えられ、冷却性能を考えれば十分静かな部類だ。
ウォーターブロックのクリアアクリルカバーは透明度も高く美しい仕上がり。組立時に傷をつけないよう取り扱いには注意したい |
さらに高性能なアドレサブルRGB LEDコントローラが付属し、細かいイルミネーションの調整ができるのも嬉しいところ。欲を言えば、配線を減らすため、最近流行りのデイジーチェーンファンを使用してくれればなお良かったが、価格を考えればそれは欲張りすぎというものだろう。
Core i9やRyzen 9などのハイエンドCPUの性能を最大限に引き出したいなら、コストを抑えつつ優れた冷却性能と静音性を両立した「MasterLiquid 360 Atmos」はオススメできる製品だ。
提供:Cooler Master株式会社