エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1443
2024.08.01 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ストレステスト動作中のクーラーの挙動を視覚的に把握するため、サーモグラフィで撮影。その様子をアイドル時と高負荷時とで見比べてみよう。なおPower Limit設定はPL1/PL2=253Wで、高負荷時は「Cinebench 2024:30minutes(Test Stability)」を実行して20分経過後のヒートシンクの様子を撮影したものだ。
アイドル時 |
高負荷時 |
アイドル時は冷却ファンの風が当たることで、周辺コンポーネントに比べて大きく温度を下げている。高負荷時はヒートパイプを中心とした箇所の温度が顕著に高くなっており、CPUから吸い上げられた熱がヒートパイプを伝って全体に広がっている様子が確認できた。
周囲への干渉を気にせずに済むナローデザインのクーラーながら、Intel推奨の標準設定であればCore i7やCore i9想定の発熱も問題なく冷却が可能だった。さすがにPower Limitを盛った状態での冷却パフォーマンスには限界があったものの、設計上想定されている冷却性能は十分に発揮できていたと言っていい。
それに製品最大の個性でもある、搭載ギミックによる演出効果もグッド。サイドパネル越しにリアルタイムのCPU温度を視認できる楽しくも実用的な機能は、「CNPS13X DS BLACK」を選ぶ重要なモチベーションになるはずだ。「P30」や「P10」のようなピラーレスケースに組み込んだなら、前方からARGBファンのライティングも楽しめるわけで、相性の良さは言わずもがな。
その一方で気になるのが、冷却性能から考慮しても高めに感じる価格設定だ。搭載ギミックの分を上乗せしたとしても、ツインタワーモデル「CNPS14X DUO BLACK」よりも高価という現状は、ラインナップにおける位置付けを難しくしている。市場には同様の温度モニタリング機能を備えたさらに安価な売れ筋が存在する以上、勝負するにはある程度価格がこなれてくるのを待つ必要がありそうだ。
協力:ZALMAN
株式会社アスク