エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1443
2024.08.01 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「CNPS13X DS BLACK」は合計5本の銅製ヒートパイプを搭載しており、フィン同様に黒色メッキでコーティング。美観に加えて防錆性の向上に役立つという加工が施されている。
そしてそのヒートパイプは一般的なものとは異なる、特許取得の独自技術「リバースダイレクトタッチヒートパイプ(RDTH)方式」を用いた特別製。ダイレクトタッチヒートパイプ(DTH)とくればCPUのヒートスプレッダと接する構造が一般的ながら、RDTHは受熱ベースプレート上部とダイレクトタッチするという、まったく逆の構造になっている。
これはそもそもの狙いがまったく異なっているためで、DTHはCPUからの熱伝導を重視する設計のところ、RDTHはヒートパイプの放熱面積を拡大して熱抵抗を抑えることに重きをおいているという。
このアプローチはツインタワーモデル「CNPS14X DUO BLACK」とも同様のもの。最新モデルにこぞって採用している技術であることからも、ZALMANの自信が窺える。スリムなヒートシンクとの組み合わせでどれほどの冷却パフォーマンスを発揮するかについては、後のテストセッションをお待ちいただきたい。
「CNPS13X DS BLACK」が搭載する冷却ファンは、オリジナル120mmファン「ZM-AF120」のARGBモデルだ。白い半透明なブレードは独特な突起を設けた「Shark Finブレード」で、これは乱流の抑制に効果を発揮する形状という。
さらに各ブレードをバリアリングで連結させることにより、翼端の渦と逆流を抑えている。可能な限り外周における空気の拡散を防ぎ、直進的なエアフローを作り出すことで冷却パフォーマンスを向上させる狙いがあるようだ。
なお冷却ファンとしての主な仕様は、回転数600~2,000rpm±10%、最大風量69.12CFM±10%、最大静圧2.01mmH2O±10%、騒音値最大29.7dBA±10%、動作寿命40,000時間など。
独特なブレードは動作音を抑える効果もあり、バリアリングとの組み合わせにより風切り音の最小化も期待できるという。スペック面でも騒音値は一般的な120mmファンに比べ控えめになっている。
ヒートシンク上部に備えるLCD付きトップカバーとのデザイン面における連続性を保つため、ファン上部にもファンカバーが取り付けられている |