エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1460
2024.09.27 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まず最初に動作させるストレステストは、この手の検証では定番と言える「OCCT」の最新バージョン「OCCT 13.1.4」だ。プリセットはCPUとGPUの両方に負荷をかける「Power」を選択し、テスト時間は30分間に設定した。
なおテスト中の消費電力は最大709Wで、しかもその負荷が長く継続してかかるというヘビーな環境での検証となった。システム負荷率が70%を超えるような状況では、「YS1000」がどのような挙動を示すのかを見ていこう。
ATX 3.1のデザインガイドにおけるDC出力電圧の+12Vは、ATX 3.0と同じく+5%/-7%の変動が許容されている。それを考慮して逸脱がないか確認してみると、その変動は極めて微細であることが分かる。テスト開始後こそやや落ち込むものの、それ以降はほとんど変動なく安定して推移していた。
ATXはちょうど1%の上振れのみで、常に12V以上。さらにCPU補助電源も最大でほぼ同等の上振れのみに留まった。どんぐりの背比べながら、最も変動の大きかったGPU(12V-2×6)も1%の上振れと0.5%の下振れを記録したのみで、動作の安定性は文句なしだ。
次は特にグラフィックスカードへ強い負荷がかかる3Dベンチマークソフト「3DMark」から、ストレステストの「Speed Way Stress Test」をチョイス。GeForce RTX 40シリーズの性能を引き出すには最適な、レイトレーシングなど最新技術を駆使したDirectX 12 Ultimate対応テストがベースになっている。なお、テストは先ほどと同様に30分間連続でループ実行した。
ちなみに消費電力は最大544Wで、電源ユニットの変換効率として理想的な50%に近い負荷率で動作していた。
最も多く変動するのはテスト開始と終了時で、それ以外はほとんどブレなく動作している点は「OCCT」と同様。電圧変動の範囲は非常に分かりやすく、ATX/CPU/GPUともに1%の上振れのみに留まっている。さらにフルロード時も0.02V程度の上下しかなく、ほぼ一定の電圧値で動作していた安定性は特筆すべきだろう。
次は同じくグラフィックスカードに負荷がかかった際の挙動を見るために、レンダリング系ベンチマーク「Cinebench 2024」に搭載されたGPUテストを実行した。テスト項目は30分間連続でテストを実行する「Minimum Test Duration:30 minutes」を選択している。
テスト中の消費電力は、今回の検証で最も小さい238Wに留まった。負荷率25%未満という軽めの負荷がかかる状況では、どのように挙動が変わるだろうか。
やたらとグラフの波形が乱高下しているように見えるが、これは短時間のテストが繰り返し実行されているため。しかしよくよく数値を確認すると、むしろ上下の振れ幅はかなり小さいことが分かる。変動は1%の上振れが見られる程度で、実はほぼ一定に近い電圧を出力しているというわけだ。