エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1467
2024.10.17 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
いわゆる詰め込み系PCケースの印象からスタートしたEra 2。一方でこれを覆すべく刷新されたフレーム形状の内部設計だが、この恩恵を最も受けているのが冷却ファンおよびラジエーターのレイアウトだ。新たにボトムパネルはスリット状通気孔として開放状態とし、14本のスリットを設けたウォールナット素材のトップパネルを採用。上下方向に強化させたエアフローレイアウトは期待していいだろう。
マニュアル(P.45/P.47)に記載されているEra 2の冷却ファンおよびラジエーターレイアウト |
ウォールナット素材を使った天板の真下には、120mmまたは140mmファンが最大2基搭載可能。ラジエーターは120/140/240/280mmサイズが搭載できる。前作では120mmファン2基および最大240mmサイズラジエーターまでのサポートだけに、大幅に改良されたことが分かる。ちなみにラジエーターは長さ307mm、幅140mmまでのサポートとされる。
シャーシ天板に装着されている「Top Bracket」には、スリット状のネジ穴が設けられ、冷却ファンまたはラジエーターの搭載ポジションを微調整できる。そして狭い内部空間での作業を回避すべく、Top Bracketは着脱が可能。前面と背面の上部には四角形の穴があり、これを横方向にスライドすることでロックが解除。その状態で持ち上げれば、簡単にシャーシから分離できる。
前後に設けられた四角形の穴があり、矢印の方向にスライドすることでロックが解除される仕組み。このアクションにはバネが使用されているため、バネが伸びた状態がロック解除になる |
Top Bracketについてもう少し触れておくと着脱機構は便利だが、ロック機構自体は”簡単に着脱できる事に特化”されている。実際に検証中、ブラケット部分だけを持ってシャーシ全体を持ち上げたところ、重みに耐えきれずに脱落してしまう事があった。
「Secure Fan Bracket for Transport」が見出しのマニュアル(P.37)には、移動時の脱落防止対策として前後をネジ留めするように記載されている。構成パーツ組み込み後はシャーシ下部を持てばいいわけだが、着脱が不要になればネジ留めによりロックを封印する事をオススメしたい。
2代目から新設されたボトムファン搭載スペース。底面には出荷時より120mmファン(25mm厚)2基が標準で装備されている。採用ファンはカタログモデル「Aspect 12 PWM」で、国内市場では2021年7月より単体発売が開始されている。
主なスペックは回転数500~2,000rpm、騒音値10~33.2dBA、風量13~56CFM、静圧0.23~2.34mmH2O。軸受けはライフルベアリングで、MTBFは90,000時間とされる。
なお標準装備のライザーケーブルやマザーボードトレイの枠が接近しているため、ラジエーターを設置するだけのスペースは確保されていない。