エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1469
2024.10.27 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
GIGABYTE「Z890 AORUS MASTER」 市場想定売価税込109,800円前後(2024年10月25日0:00発売) 製品情報(GIGABYTE) |
Intel Core Ultra 200Sシリーズの解禁に合わせて、計9モデルのIntel Z890チップセットマザーボードを発売したGIGABYTE。その中でも最もハイエンドに位置づけられるのが今回の主役である「Z890 AORUS MASTER」だ。
GIGABYTE「AORUS」シリーズでは、これまで「MASTER」型番の上に「XTREME(およびXTREME WATERFORCE)」型番がラインナップしていた。しかし、Intel Z890からは「AI TOP」へ移行したため、「Z890 AORUS MASTER」が最上位になる |
電源回路はデジタル制御による18+1+2フェーズで、MOSFETには今回の製品の中では唯一110A Smart Power Stage(SPS)を採用する。さらに一般的なマザーボードと比較して、表面積を10倍に拡大した大型ヒートシンク「VRM Thermal Armor Advanced」を組み合わせることで、長時間高負荷が掛かる作業をする場合でも電源回路の温度を低く保つことができる。
ハイエンドモデルらしい重厚な見た目の電源回路。「ヒートシンクの冷却性能には自信があり」ということだが、その実力については後半のテストセッションで明らかにする |
また独自AI技術「D5 Bionic Corsa」を採用しているのも大きな特徴。GIGABYTEのサーバーに蓄積されている膨大なPCパーツやオーバークロックの情報を元に作成されたAIモデル「AI Snatchエンジン」を活用して、最適なオーバークロックパラメータを呼び出すことができる自動オーバークロック機能「AORUS AI Snatch」、マザーボードの配線やPCBレイヤーの構造、スルーホールサイズの最適化にAIを活用する「AI駆動基板設計」、BIOSの最適化にAIを活用する「HyperTuneBIOS」により、Intel Core Ultra 200Sシリーズの性能を引き出すことが可能。メモリについても最高9,500MHzという高クロック動作を実現している。
基板設計や自動オーバークロック機能にAIを活用する「D5 Bionic Corsa」により、CPUやメモリの高クロック化を実現している |
ハイエンドモデルらしく、インターフェイスも充実しており、ネットワークはMarvellチップによる10ギガビット有線LANと、Intel Wi-Fi 7 BE200NGWによるWi-Fi 7を標準装備。リアインターフェイスに用意された2ポートのUSB Type-Cはいずれも帯域幅40GbpsのThunderbolt 4(USB4/DP Alt Mode対応)に対応する。
さらにUSB Type-Aも12ポートと十分な数が用意されており、キャプチャーカードやオーディオミキサー、カメラ、マイクといった多くのUSBデバイスを使用するゲーム配信を行う場合でも不足することはないだろう。
パッケージサイズは実測幅約345mm、高さ約270mm、厚さ約80mmで、フラッグシップモデルのマザーボードとしては比較的コンパクト |
そして最近のマザーボードのトレンドになっている利便性を追求した機能についても、大型グラフィックスカードを簡単に取り外すことができるボタン式の「PCIe EZ-Latch Plus」、スクリューレスのWi-Fiアンテナコネクタ「WIFI EZ-Plus」、ツールレスでM.2 SSDやM.2 SSDヒートシンクを着脱できる「M.2 EZ-Latch Click」「E.2 EZ-Latch Plus」、ケース内にディスプレイを設置できる「Sensor Panel Link」用のオンボードHDMI出力を搭載するなど一切抜かりはない。
メモリを冷却するオプションファン「DDR Wind Blade」 | フロントピンヘッダをまとめられる「G Connector」 |
ノイズ検出ケーブル | サーミスタケーブルは2本付属する |
加えて、メモリを冷却するための「DDR Wind Blade」や、ノイズ検出ケーブル、サーミスタケーブル、フロントピンヘッダをまとめられる「G Connector」が付属するなど、現状考えうる機能はほぼ全て網羅されている。