エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1471
2024.11.06 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
CPUコアの純粋な性能を図るため、「CINEBENCH」系のベンチマークを進めていこう。まずはテスト時間短く、瞬間的な最高パフォーマンスを計測するのに便利な「CINEBENCH R15」からだ。
シングルコアテストは、さすがにコンシューマ向けフラッグシップのRyzen 9 9950XやCore Ultra 9 285Kには敵わないものの、Ryzen 7 7800X3Dからは約15%向上している。またマルチコアテストについても、物理コア数、論理コア数とも同じRyzen 7 7800X3Dを約20%上回り、Zen 5アーキテクチャの採用や、第2世代3D V-Cacheによる高クロック化のメリットはとても大きい。
続いて「CINEBENCH R15」よりもテスト時間が長く、より実際の運用に近いパフォーマンスが計測できる「CINEBENCH R20」のスコアを確認しておこう。
Ryzen 7 7800X3Dに比べるとシングルコアテストは約19%、マルチコアテストでは約28%も高いスコアを記録しており、「CINEBENCH R15」から差が広がっている。このことからRyzen 7 9800X3Dでは、ブースト機能によって引き上げられた動作クロックをRyzen 7 7800X3Dよりも長時間維持できる事がわかる。
続いてメニーコアCPU向けに設計されている「CINEBENCH R23」のスコアを確認しておこう。
スコアの傾向は「CINEBENCH R20」とほぼ同じで、Ryzen 7 7800X3Dに比べるとシングルコアテストは約18%、マルチコアテストでは約27%上回る。ちなみにコア数が同じ「Ryzen 7 9700X」と比べてもマルチコアテストは約10%上回り、従来の「X3D」モデルが苦手としていたマルチスレッド性能はかなり改善されている。
「CINEBENCH」系ベンチマークのラストは最新バージョンの「Cinebench 2024」のスコアを確認しておこう。
スコアの傾向は「CINEBENCH R20」や「CINEBENCH R23」とほぼ同じ。やはりマルチコアテストの結果はRyzen 7 7800X3Dを大きく上回り、マルチスレッド処理のほか、ゲームをしながら同時に配信をするような用途でも安定した性能が期待できる。