エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1476
2024.11.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
合計23フェーズの大規模構成を採用する電源回路。それを放熱するヒートシンクもビッグサイズだ |
電源周りは「MPG Z890 CARBON WIFI」の自慢の一つで、110A SPS(Smart Power Stage)を採用する20(VCPU)+1(VGT)+1(VCCSA)+1(VNNAON)フェーズの大規模回路を搭載している。前世代の「MPG Z790 CARBON WIFI II」を上回る構成であり、Smart Power Stageのスペックも向上した。
そしてそれらを冷却するのが、大型の拡張ヒートシンク「FROZR GUARD」。ヒートシンクとMOSFETおよびチョークコイルは熱伝導率7W/mKの高品質サーマルパッドで接し、冷却効率を高めている。いずれもハイエンドCPUのパフォーマンスを最大限に引き出すための装備だ。
また、電源コネクタはすべて低インピーダンスかつ高耐久な「ソリッドピン設計」を採用。オーバークロック時など高電流が要求されるシチュエーションでも安定した電源供給を可能にしている。
ヒートシンクを取り外すと、20(VCPU)+1(VGT)+1(VCCSA)+1(VNNAON)フェーズを搭載する電源回路が露わになる |
整然と実装されたチョークコイル。MOSFETはハイサイド・ローサイドMOSFETとドライバICを1パッケージに統合した110A対応のSmart Power Stageが採用されている |
ルネサス エレクトロニクス製のPWMコントローラ「RAA229131」 | 「ソリッドピン設計」の補助電源コネクタは8pin×2。一般的なマザーボードの配置とは異なり、ヒートシンクに邪魔されないメモリスロット上部に実装されている |
チップセットは「Core Ultra 200S」シリーズ向けの上位チップである「Intel Z890」を搭載している。前世代との比較ではPCI Expressの合計レーン数は同じながら、CPUと接続されるPCI Express 5.0レーンとチップセット接続のPCI Express 4.0レーン数が増加した点がトピックの一つ。PCI Express 5.0対応グラフィックスカードとNVMe SSDをトレードオフなく同時運用できるようになった。
CPUとは8レーンのDMI 4.0で接続される「Intel Z890」。PCI Express 5.0のレーン分割やCPU・メモリのオーバークロックにも対応している |
チップセットヒートシンクは、普段はプレート状のM.2ヒートシンクの裏側に隠れている |
メモリスロットは最大256GB(64GB×4)を実装可能なDDR5×4を搭載。ノイズを大幅に低減する独自の回路設計「MSI Memory Boost Technology」と、信号ロスの少ない「SMTプロセス」による表面実装方式を採用し、最大9,200MT/sの高クロック動作を可能にしている。
CUDIMMを運用可能になったことで9,000MT/sを上回る高クロックメモリに対応する点は、Intel Z890マザーボードのトピックに挙げられるだろう。
スロットはCPUソケット側からDIMMB1/DIMMB2/DIMMA1/DIMMA2の順に並んでいる。メモリ2枚を使用する際は、DIMMB2/DIMMA2の組み合わせで接続しよう |