エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1476
2024.11.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
本来オーバークロックは面倒な設定やある程度の知識が要求されるところ、「MPG Z890 CARBON WIFI」では「CLICK BIOS X」からワンクリックの簡易オーバークロック機能「Game Boost」が利用できる。設定方法も「EZ Mode」で該当項目をONにするだけとシンプルだ。
ここではハイエンドCPU「Core Ultra 9 285K」の動作をチェックするとともに、「Game Boost」の実行でどのような影響があるのかを見ていこう。
標準動作とシングルタスク時の最大クロックは変わらないものの、マルチタスク処理時には全体的にクロックが上昇していた |
純粋なCPUのパフォーマンスを検証する「CINEBENCH」系のテストを実行したところ、各テストで概ね約3%程度、最も差が大きかった「CINEBENCH R23」で約5%程度スコアを上積みできていた。ワンクリックのシンプル設定ながら目に見える形で効果があったわけで、さらにPL値を変更したり本格的なチューニングにチャレンジすれば、これ以上のパフォーマンス向上が狙えるだろう。
なお「Game Boost」を有効化した際の挙動については、ストレステストの「Cinebench 2024:10minutes(Test Throttling)」を使用してチェックする。ファンの風が当たらない環境下にて、MOSFET温度とCPUのPackage Powerの変化を追ってみよう。
標準設定時における高負荷時のサーモグラフィ | 「Game Boost」有効時における高負荷時のサーモグラフィ |
標準時はPackage Powerが220~230Wと言ったところだが、「Game Boost」を有効にすることで約240W程度で動作。その影響で動作クロックが上昇しているが、MOSFETの温度は最大75℃前後で変わりない。無風の状態でも余裕のある放熱が可能であることから、CPUクーラーやケースファンなどの風を受けることができる実用シーンにおいては、もっとヘビーな負荷がかかっても大丈夫そうだ。