エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1477
2024.11.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「MEG Z890 ACE」では、メモリ回路の最適化により、先代モデルを大きく上回る高クロックメモリの対応が謳われている。そこで今回はKingston「Renegade Fury CUDIMM」のIntel XMP 3.0プロファイルに登録されているDDR5-8400に加えて、「Memory Tri It!」によるDDR5-9200動作を試してみることにした。
「Memory Tri It!」では、搭載しているメモリチップを解析してオススメのオーバークロック設定がリスト表示される |
DDR5-9200動作 | DDR5-8400動作 |
DDR5-6400動作 | DDR5-4800動作 |
Intel XMP 3.0のDDR5-8400はもちろん、Gear 4動作であればDDR5-9200でもOSの起動は問題なく、PCが不安定になることもなかった。メモリのオーバークロックについてはメモリモジュール自体の耐性も大きいが、「MEG Z890 ACE」であれば9,000MHzを超えるメモリクロックも比較的簡単にクリアできるようだ。
「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」のスコアを確認すると、帯域幅はメモリコントローラが高クロックで動作するGear 2のDDR5-8400がGear 4のDDR5-9200をいずれも上回る。またレイテンシについてはDDR5-6400よりもDDR5-9200のほうが遅く、パフォーマンス面では多少メモリクロックが低くてもGear 2のほうが有利になるようだ。ちなみにDDR5-8400ではDDR5-6400の約84%、DDR5-4800の約79%までレイテンシが削減されており、帯域幅、レイテンシとも大きく改善されている。
続いてメモリの影響が大きい「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のベンチマーク結果を確認していこう。やはりこちらもGear 2のDDR5-8400が最も高いスコアを記録し、DDR5-4800からはフルHDで約8%、WQHD解像度でも約6%上回る。
ここまでの結果を見る限り、Gear 2のDDR5-8400とGear 4のDDR5-9200では、前者のほうがパフォーマンスは良好だった。とは言え、プロファイルを選択するだけでDDR5-9200動作を実現できる「MEG Z890 ACE」のオーバークロックメモリ耐性はとても優秀だと言っていいだろう。
「CLICK BIOS X」には、ワンクリックでNPUの性能を引き上げることができる「AI Boost」機能が実装されている。そこで今回は最も高クロックな設定になる「Stage 3」を選択して、その効果を確認してみることにした。なおベンチマークには「UL Procyon」の「AI Computer Vision Benchmark:Intel OpenVINO」を使用している。
処理の重いfloat16で約17%、処理の軽いintegerでは約25%もパフォーマンスが向上し、「AI Boost」機能による効果はかなり大きい。まだ対応しているアプリケーションは限られるものの、NPUによるAI処理を使用するのであれば「AI Boost」機能は有効にしておくといいだろう。