エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1483
2024.12.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
製品の概要を把握したところで、ここからは画像による検証を進めていこう。AMD X870チップセットマザーボードの中でもミドルレンジに位置づけられる「X870 Steel Legend WiFi」だが、電源回路は14(VCORE)+2(SOC)+1(VDD MISC)フェーズと充実している。さらにハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを1チップに統合した80A Dr.MOSや、静電容量1,000μFの「20Kブラックコンデンサ」、高電流に対応する「高密度電源コネクタ」といった高品質なパーツを採用することで、安定性と耐久性を担保している。
CPUソケットを囲むように逆L字型に実装された電源回路。ファンからの風が抜けるようフェライトコアチョークの間には隙間が設けられている |
コンデンサは、静電容量1,000μFの「20Kブラックコンデンサ」で、電源モジュールにはDr.MOSを採用 |
「高密度電源コネクタ」を採用する8pin×2の補助電源コネクタを実装 |
さらに安定した信号トレースと放熱性に優れる8層PCBや、スリットやフィンを設けることで放熱面積を拡張した大型ヒートシンクで構成される冷却機構を備え、高負荷状態でもMOSFETやチョークコイルの温度を低く保つことができる。
電源回路のヒートシンクには、放熱面積を稼ぐためスリットやフィンがデザインされている。またチョークコイルとの接触部にもサーマルパッドが貼り付けられていた |
「X870 Steel Legend WiFi」のチップセットは、Ryzen 9000シリーズに合わせて発表されたAMD X870だ。デュアルチップ構成のフラッグシップAMD X870Eに比べるとPCI Expressのレーン数や、SATA/USBポート数は削減されているが、帯域幅40GbpsのUSB4に正式対応。さらにM.2スロット、PCI ExpressスロットともPCI Express 5.0をサポートするなど機能面では大きな違いはない。
チップセットにはアルミニウム製の大型ヒートシンクを実装 |
AMD X870Eと違いAMD X870はシングルチップ構成のためPCI Expressのレーン数や、SATA/USBポート数は控えめ。拡張性だけで言えばAMD X670(E)というよりはAMD B650(E)の後継モデルと言う印象が強い |
メモリスロットはデュアルチャネル対応のDDR5×4本で、容量は最大256GBまで増設できる。また信号のノイズが少ない表面実装方式(SMT)や、高品質な8層PCBを採用することでメモリクロックは最大8,000+MHzまでのサポートが謳われている。もちろんAMD EXPO/Intel XMP 3.0にも対応するため、オーバークロックメモリも面倒なタイミングや電圧を設定することなく、プロファイルを選択するだけで動作させる事ができる。
両側にラッチを搭載するメモリスロット。CPUソケット側からDDR5_A1/A2/B1/B2の並びで、メモリ1枚のときはDDR5_B2、2枚のときはDDR5_A2/B2を使用する |
インタラクティブUEFIにはDDR5-3200からDDR5-16000までのメモリクロックが用意されている |
メモリプロファイルはAMD EXPOだけでなくIntel XMP 3.0も読み込みが可能 |