エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1485
2024.12.14 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここからは、より実際のゲームプレイに近い負荷をチェックするため、長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークを実行する。まずはオンライン系の人気タイトル「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー」の公式ベンチマークテストを動かしてみよう。グラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、これまで同様に30分間連続で動作させている。
テスト中の消費電力は、「3DMark」時に近い最大515W。電源ユニットにとって理想的な負荷率50%に近い環境で稼働していた。
常に定格以上で動作していたATXとCPUは、上振れの数値が最大で0.5%。テスト開始時と終了時に比べて、フルロード時はほとんどのシーンでさらに変動が少なくなっている。フェーズごとに頻繁にロードを挟むため、GPUのグラフ波形こそ変動が多いように見えるものの、下振れ範囲はわずか0.2%以下に留まっていた。
最後は同じく長時間ループに対応したゲーム系ベンチマークから、より高負荷なテストである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを実行した。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択し、解像度は3,840×2,160ドットにセット。これまで同様に30分間連続で動作させている。
テスト中における消費電力は、「FF14」からやや上昇して最大546Wで動作していた。Ryzen 9 9950XとGeForce RTX 4080 SUPERを搭載した環境にとって、1000Wの「Focus GX-1000 V4 WH」は十分なマージンをもってゲームをプレイできる容量と言える。
グラフの挙動こそ異なるものの、電圧の変動幅は「FF14」とまったく同じ。上振れは0.5%、下振れ方向の変動も0.2%以下に留まっていた。負荷のかかる描画シーンの負荷がほぼ一定なところも同様で、どの部位でもフルロード時は0.01~0.02Vの変動しかない。ゲーミングマシンの心臓を安心して任せることができる、優れた安定性を備えているようだ。
さすがCybeneticsの静音認証を取得しているだけはあり、負荷テストの最中もファンの風切り音が耳に届くことはなく、かなり静粛な電源ユニットだった。もちろんそうした挙動には、熱源の処理を大幅に改良し、極めて冷却効率の高い内部構造を実現した「OptiSink Design」の果たした役目も大きい。
それをショート筐体ギリギリの大口径ファンで冷却し、ON/OFF可能なセミファンレスにも対応するなど、冷却と静音へのこだわりが光る秀作。ブレがなく安定した動作も好印象で、ミドル級ユーザーが安心して構成に組み込める、新たな定番シリーズとして注目を集めそうだ。
そして今回ホワイトカラーの「Focus GX-1000 V4 WH」を検証に使用したわけだが、ホワイト系電源ユニットとしての出来の良さもトピック。まさに混じり気なしといった体で、筐体や内蔵ファンはもちろん、コネクタまで真っ白なケーブル、さらにACケーブルまでホワイトで統一するという徹底ぶりには頭が下がる。ホワイトを基調としたマシンを組む向きにも、最良のマッチングが約束された製品と言える。
提供:Sea Sonic Electronics
シリアルテックジャパン株式会社