エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1486
2024.12.19 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
ここからはID-COOLING「FROZN A620 PRO SE」を実際のPCに組み込み、気になる冷却性能をチェックしていこう。検証用のCPUには、大人気ゲーミングCPU AMD Ryzen 7 9800X3Dを使用した。TDPは120WとRyzen 9000シリーズの中ではRyzen 9 9950Xに次ぐ高さだが、第2世代3D V-Cache技術により冷却効率が大幅に改善。最大動作温度も95℃に引き上げられており、空冷での運用を検討している人も多いのではないだろうか。
なおストレステストには「OCCT 13.1.11:CPU:データセット大」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用。CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をPCから30cmの距離に設置して計測した。
大人気のゲーミングCPU Ryzen 7 9800X3D。第2世代3D V-Cache技術により冷却効率は大幅に改善しており、空冷での運用を検討している人も多いだろう |
CPUの温度は「HWiNFO 64」で「CPU (Tctl/Tdie)」の数値を取得した |
「Cinebench 2024」では80℃前後、より温度の高い「OCCT 13.1.11」でも最高約88℃で、最高温度の95℃まではまだ余力が残されている。Package Powerも「Cinebench 2024」ではTDP通りの120W前後、平均クロックも5.15GHz前後で安定しており、公称最高クロック(5.2GHz)に近いパフォーマンスを発揮することができている。
「Cinebench 2024」ではファン回転数は1,500rpm~1,800rpmの間で変動し、最高回転の2,000rpmに達することはほとんどない。ノイズレベルもほぼ40dBA以下で、バラックでのテストでも耳障りに感じることはなかった。またより負荷の高い「OCCT 13.1.11」ではファン回転数は2,000rpm前後まで上昇する。ノイズレベルは43dBA前後で、さすがに静音の範疇から外れるものの、50dBAを超える物も多いハイエンドオールインワン型水冷ユニットに比べれば控えめ。PCケースに入れてデスクの下に設置すれば気になることはないだろう。