エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1486
2024.12.19 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
テストセッションの最後は、Ryzen 9 9950Xを搭載した場合のヒートシンク温度をサーモグラフィで確認しておこう。アイドル時は起動後10分間放置した際の様子を、高負荷時は「Cinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」を実行して20分経過後の様子を撮影した。
アイドル時のサーモグラフィ結果 |
高負荷時のサーモグラフィ結果 |
サイドの温度についてはアイドル時、高負荷時とも大きな違いはないものの、正対した状態だと高負荷時はヒートシンク全体の温度が上昇しており、ヒートパイプを伝ってCPUから発生した熱が効率よく移動している様子が確認できる。
ハイエンド志向の製品が揃うツインタワーサイドフローCPUクーラーながら、税込4,999円という低価格を実現したID-COOLING「FROZN A620 PRO SE」。ヒートパイプのはんだ処理やヒートシンクの傾きなど、やや作りが粗いと感じる部分は確かにある。
しかし、CPUクーラーで最も重要な要素である冷却性能については、TDP120WのRyzen 7 9800X3Dはもちろん、TDP170WのRyzen 9 9950Xに対しても十分なパフォーマンスを発揮してくれた。ファンのノイズについても冷却性能を考慮すれば十分許容できるレベルで、よほど静音性を重視するのでなければ気になることはないだろう。
さらに全高も157mmとイマドキのハイエンド空冷クーラーに比べると控えめ。大型化が進むマザーボードの電源周りとも干渉しないよう設計されており、組み合わせるパーツに悩むこともないだろう。
コストをできる限り抑えつつ、CPUはしっかりと冷やしたい。「FROZN A620 PRO SE」はそんな欲張りなニーズにしっかりと応えてくれる製品だ。
提供:ID-COOLING