エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1487
2024.12.21 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
全長200mmオーバーの筐体を開封。4ヶ所のネジを取り外すことで、上下のフレームを分離させることができた |
ここからは、売価10万円に迫る高級電源ユニット「PRIME TX-1600 Noctua Edition」の内部にアクセス、その構造をチェックしていく。まず最初に注目するべきは、Noctuaコラボの真髄たる「NF-A12x25」の存在だろう。
「NF-A12x25」をベースとしたPWM制御の120mmファン「NF-A12x25 HS-PWM」が搭載されていた |
ご存知Noctuaが2018年にリリースした傑作120mmファンで、「PRIME TX-1600 Noctua Edition」には電源ユニット向けにカスタマイズされた「NF-A12x25 HS-PWM」が組み込まれていた。
その最大の特徴は、フレームとブレードのスキマをわずか0.5mmに収めることで、エアフローの損失(空気の漏れ)が最小限に抑えられていること。この仕様は、ファン回転時に発生する遠心力によりブレードが膨張してしまうため、従来の素材では実現が難しかった。そこで課題の克服のため、「NF-A12x25」のブレードには、引張強度の高さと低い熱膨張係数を特徴とする超硬質素材の「Sterrox液晶ポリマー(LCP)」が採用されている。
エアフローを損失なく効率的に使い切れることにより、優れた冷却性能を発揮。同時に騒音も極めて低く抑えられている。
コネクタは電源ユニット基板に接続される4pinを備え、4ヶ所のネジでトップフレームにマウントされていた |
高品質コンポーネントが惜しげもなくすし詰めで組み込まれた内部構造 |
そして「PRIME TX-1600 Noctua Edition」の”電源ユニット部分”に目を向けると、約210mmの長大な筐体内を使い切るかのような、ギッシリとコンポーネントが詰まった構造になっていた。日本ケミコン製の大容量コンデンサが林立し、ツイントランス構成が採用された贅沢な回路設計。まさにコンシューマ向け最高峰の電源ユニットに相応しい威容と言える。
突入電流や高周波ノイズを抑える入力部。安全コンデンサやYコンデンサなどはボックス内部に収められているようだ | コイルのすぐ隣には、一次側整流回路のブリッジダイオードがマウントされたヒートシンクが搭載されている |
力率を改善するアクティブPFC回路とそのコイル。デュアル構成で実装されていた | ヒートシンクにマウントされているPFC回路のMOSFET |
一次側の平滑回路に実装されていた、耐圧420V/105℃仕様の日本ケミコン製コンデンサ |
大容量コンデンサ群のすぐ隣には、LLC回路のスイッチなどがマウントされた小型ヒートシンクが実装されている | スタンバイ用の5VSB回路に実装されていたサブトランス |
400V以上に達している入力電圧を実際に使用する値に近い電圧に変換しているメイントランス。デュアル構成で安定性を高めている |
二次側の整流回路から平滑回路にかけてのエリア。重厚なヒートシンクに加え、やはり日本ケミコン製のコンデンサや固体コンデンサなどが実装されている |
12Vから5Vと3.3Vを生成するDC-DC変換基板。放熱用のプレートが並立しているようだ | ユニット最後方に取り付けられれているモジュラー基板。ここにも日本ケミコン製コンデンサおよび固体コンデンサが搭載されている |