エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1487
2024.12.21 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
最後はループ実行可能なより高負荷なゲーム系ベンチマークである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを動作させる。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択しつつ、解像度は3,840×2,160ドットにセット、30分間連続でテストを実行した。
テスト中における消費電力は最大508Wで、「3DMark」実行時に近い。ゲーム系ベンチマークでは重めの部類に入るテストながら、システム負荷率は30%ほどに収まる計算だ。
「FF14」より負荷の大きなベンチマークテストながら、実は上限の変動幅はこれまでのテストで最も小さかった。ATXとCPUの上振れは0.5%を下回ったほか、GPUも同様に0.5%未満の上振れと0.3%未満の下振れをマークしたのみ。規格上許された変動幅と比べればほとんど誤差のようなもので、「PRIME TX-1600 Noctua Edition」の極めて優れた安定性を実感することができた。
「PRIME TX-1600 Noctua Edition」を語る上で欠かせない、冷却機構の刷新。本機にはNoctuaによるプレミアムファンの「NF-A12x25」が組み込まれているが、高負荷とアイドル動作時でどのような挙動の違いを示すだろうか。
「OCCT 13.1.11」(のPowerプリセット)を実行した際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の数値をアイドル時に設定。セミファンレス機能OFFの常時回転モードにて、それぞれの環境をデジタル騒音計を使用して計測(暗騒音29.6dBA)した。
高負荷時でも33.6dBAと、ささやき声レベルの静かさで動作していた。アイドル時と比べても、わずか2.5dBA上昇したのみ。実際に耳で聴き分けるのも難しい水準で、「PRIME TX-1600 Noctua Edition」はユーザーが期待する極上の静音動作を狙い通りに実現できている。
市場でも高い評判を確立している傑作ファンを搭載した効果は、驚くほどの静音動作として確かに実感できるものだった。テスト中も実際に動いているのか、目で直接ファンの回転を確認しないと分からないほど。セミファンレス機能を有効化するまでもなく、ほぼ無音に近い感覚で運用できる。
それを可能にしたのは傑作ファン「NF-A12x25」の存在によるものだが、単にファンを付け替えるだけでなく、ファングリルの設計でさらに静音化を追求する姿勢はさすがの一言。最高のファンを最大限に活かすために苦労を惜しまない、妥協のないアプローチはNoctuaならではだろう。
そしてさすがSeasonicという、電源ユニット自体の極まった安定性もさすが。そこに最高のファンを組み合わせてうまくいかないはずはなく、ピカイチの完成度を誇る電源ユニットが出来上がった。
ちなみに噂によると、NVIDIAの次世代ハイエンドGPUは2系統の12V-2×6コネクタを要求するという話もあり、そうなれば1000Wでは満足できないという層も増えてくるだろう。1500W前後の電源ユニットは7~8万円も当たり前といった魔境だが、その中ではこの「PRIME TX-1600 Noctua Edition」も決して高価すぎる製品というわけではない。
むしろベースモデルと比べて+1万円程度という価格は、全世界1000台限定というプレミアム感も加われば、むしろ良心的にも思える。もとよりコストパフォーマンスを論じる価格帯ではないわけで、満足度の深さのみで考えるなら迷うことはない。
協力:Noctua