エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1494
2025.01.09 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
まずは前回のレビューで検証できなかった、フラットなヒートスプレッダを採用するSocket AM5/AM4やIntel LGA2066/2011に最適化した「NH-D15 G2 LBC」のパフォーマンスをRyzen 9000シリーズを使って確認していく。検証用のCPUには、ゲーム向けの人気モデルRyzen 7 9800X3Dと、Ryzen 9000シリーズのフラッグシップモデルRyzen 9 9950Xの2種類を用意した。またストレステストは「Cinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用し、CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値を採用している。
なお「NH-D15 G2」には、クーラーのソケットを7mmずらして取り付ける「Offset mounting option for AMD AM5」が付属する。今回はSocket AM5のCPUということで、CCDをより効率的に冷やすことができる「Offset position」に設定して検証を行っている。
まずは内部設計の変更により、冷却のハードルが下がった第2世代3D V-Cache技術を採用する最新ゲーミングCPU Ryzen 7 9800X3Dからテストを進めていく。
第2世代3D V-Cache技術により、96MBの大容量L3キャッシュを搭載するRyzen 7 9800X3D。TDPは120Wで、Ryzen 9000シリーズの中では2番目に高い |
CPUの温度は平均約75℃、最高温度も78.9℃で、CPUの最大動作温度である95℃までは16℃以上も余裕がある。Package Powerも130W前後、動作クロックも5.175GHz前後で安定しており、Ryzen 7 9800X3Dの性能を十分に引き出すことができている。ちなみにファン回転数は最高回転数である1,500rpm前後まで上昇していた。
Ryzen 7 9800X3Dでは、テスト中一度もCPU温度が80℃を超えることはなく、未だ余力を残していた「NH-D15 G2 LBC」。続いてSocket AM5の中では最もTDPが高いRyzen 9000シリーズのフラッグシップモデルRyzen 9 9950Xでもチェックを進めていこう。
Socket AM5のCPUの中では最高となるTDP170WのRyzen 9 9950X。16コア/32スレッドのCPUコアを内蔵し、クリエイティブな作業では無類の強さを誇る |
平均温度は約77.1℃で、Ryzen 7 9800X3Dからは約2.1℃上昇している。とは言え、こちらもテスト中は一度も80℃を超えることはなく、まさに“最強の空冷クーラー”の名にふさわしいパフォーマンスを発揮する。これならば定格での運用はもちろん、手動オーバークロックで設定を詰めた場合でも冷却性能が不足することはないだろう。