エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1496
2025.01.17 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
MSI「MAG B860 TOMAHAWK WIFI」 市場想定売価税込42,980円(2025年1月14日発売) 製品情報(MSI) |
本題に入る前に、まずはIntelから登場したLGA1851向け最新チップセット「Intel B860」について簡単に紹介しておこう。Core Ultra 200Sの「K」モデルと同時にリリースされたIntel Z890の下位モデルで、CPUのオーバークロック機能やPCI Express 5.0のレーン分割機能が省略されている。
ただし、最近のCPUには指定したPower Limit内でクロックを引き上げるブースト機能が実装され、以前に比べて手動でオーバークロックをする機会は減っている。さらにNVIDIA SLIやAMD CrossFireのマルチグラフィックス機能は形骸化しており、コンシューマ向けPCでレーン分割機能を使う機会はほとんどない。
一部のエンスージアスト向け機能を省略して、コストを抑えたIntel B860。パッケージサイズは28×23.5mm、消費電力は6Wとされ、発熱は控えめだ |
またCPUとチップセットを接続するDMI 4.0や、PCI Expressのレーン数、SATAポート/USBポート数など拡張性にも一部制限はあるが、SSD用のPCI Express 5.0(x4)レーンや、メモリチャネル数などのサポートは変わらず。これまでの「B」型番チップセットと同様、メモリについてはオーバークロックも可能なことから、多くのユーザーにとって機能面で不足を感じることはないだろう。
そんなIntel B860チップセットを搭載するのが今回の主役である「MAG B860 TOMAHAWK WIFI」だ。基板上のLEDイルミネーション機能を敢えて省略した、質実剛健なコンセプトが人気のゲーミングマザーボード「TOMAHAWK」シリーズの最新モデルで、ブラックを基調にグリーンの差し色を配したソリッドなデザインの大型アルミニウム製ヒートシンクを搭載する。
またIntel B860チップセットの製品では貴重な帯域幅40GbpsのThunderbolt 4や、Intel Z890チップセットのマザーボードでもハイエンドモデルにしか実装されていない5ギガビットLAN、320Hzに対応するWi-Fi 7など、高速なインターフェイスが充実しているのも特徴だ。
Intel B860チップセットのマザーボードでは珍しい、5ギガビットLANやThunderbolt 4を搭載。またWi-Fi 7も帯域幅320MHzに対応する |
さらにメモリスロットは配線を最適化した「Memory Boost」や表面実装技術により、最大9,200MHzまでの高クロック動作に対応。PCI Express 5.0(x4)接続のM.2スロットも用意されており、10,000MB/sを超える高速なNVMe M.2 SSDを組み合わせる事もできる。
パッケージの背面には主要な機能が解説されているので、購入する場合には目を通しておくといいだろう |
その他、ボタン式のグラフィックスカードリリース機構「EZ PCIE Release」や、コネクタを差し込むだけで接続できる「EZ Antenna」、ツールレスで着脱できるM.2ヒートシンク「EZ M.2 Shield Frozr II」など、組み立てやすさを追求した「EZ DIY」機能にも対応。ポート数などの違いはあるものの、基本的な機能についてはIntel Z890チップセットを搭載する上位モデル「MAG Z890 TOMAHAWK WIFI」と比較してもまったく遜色のない仕上がりだ。