エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1512
2025.02.28 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
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ここからは「NVIDIA App」のDLSSオーバーライド機能を使うことで、マルチフレーム生成機能が利用できるゲームのパフォーマンスを確認していこう。まずは「Microsoft Flight Simulator」からだ。
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ゲーム側の対応はまだでも、「NVIDIA App」のDLSSオーバーライド機能でマルチフレーム生成機能が使えるようになるゲームもある |
「グローバルレンダリング品質」は「ウルトラ」、「アンチエイリアス」は「NVIDIA DLSS SUPER RESOLUTION」、「NVIDIA DLSS スーパー解像度」は「バランス」、「DLSS フレーム生成」は「オン」に設定。解像度はこれまでと同じフルHD、WQHD、4Kの3種類で、フレームレートの計測には「FrameView」を使用している。
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「Microsoft Flight Simulator」では、CPUがボトルネックになるためいずれの解像度でもほぼ横並び。GeForce RTX 5080との差もほとんどなかった。またマルチフレーム生成機能で「4x」を選択すると「2x」からフレームレートは約2倍に向上する。
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最新のフライトシミュレーター「Microsoft Flight Simulator 2024」でもチェックをしていこう。「グローバルレンダリング品質」は「ウルトラ」、「アンチエイリアス」は「NVIDIA DLSS Super Resolution」、「NVIDIA DLSS スーパー解像度」は「バランス」、「DLSS フレーム生成」は「オン」に設定。解像度はこれまでと同じフルHD、WQHD、4Kの3種類で、フレームレートの計測には「FrameView」を使用している。
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「Microsoft Flight Simulator」で発生していたCPUによるボトルネックは解消され、解像度が下がるに従ってフレームレートも順調に伸びている。またGeForce RTX 5080との比較では、4K解像度で約5%、WQHD解像度やフルHD解像度でも約4%上回る。そしてマルチフレーム生成機能の効果は約2倍で、これまでのテストの中で最も大きくなった。
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シングルプレイヤー魔法シューティングゲーム「アヴェウムの騎士団」の結果も確認をしておこう。「NVIDIA DLSS」は「バランス」、「フレーム生成」は「オン」で、その他は最も高品質な設定を選択。解像度はこれまでと同じフルHD、WQHD、4Kの3種類で、フレームレートの計測には「FrameView」を使用している。
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スコアの傾向は「Microsoft Flight Simulator 2024」に近く、フルHD解像度やWQHD解像度では約3%、4K解像度では約5%もGeForce RTX 5080を上回る。またマルチフレーム生成機能を有効にするとフレームレートは約2倍まで上昇する。
ゲームのベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、各ベンチマークについては4K解像度でテスト実行中の最高値を取得している。
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オーバークロックモデルで、Power Limitも引き上げられているため、GeForce RTX 5080に比べると約20~30W消費電力が増加している。ただし、最大消費電力は約500Wで頭打ちになることから、より消費電力多いCPUを組み合わせた場合でも推奨電源ユニットである850W以上の製品を組み合わせてやれば問題ないだろう。
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テストセッションのラストは、MSI自慢のオリジナルトリプルファンクーラー「HYPER FROZR」の実力を確認していこう。「Dual BIOS」は「GAMINGモード」に加えて、「SILENTモード」を選択した場合でも検証を行っている。
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今回はGPU、メモリともオーバークロック仕様の「Extreme Performance」の設定で検証を行っているにも関わらず、「GAMINGモード」のGPU温度は最高61.4℃、メモリ温度は最高66℃で、公称TGPが360Wのハイエンドグラフィックスカードの発熱を完全に押さえ込むことができている。ちなみに、GeForce RTX 5080と比較するとGPU温度8.6℃、メモリ温度は12℃も低い数値で、「HYPER FROZR」の優秀さが光る結果になった。
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また「SILENTモード」では、ファン回転数は1,350rpm前後へと約200rpm低下する。それでもGPU温度は最高67.2℃、メモリ温度は最高72℃までしか上がらず、十分な冷却性能を発揮する。正直、「GAMINGモード」の設定でもテスト中はオールインワン型水冷ユニットのファンの音のほうが大きく、風切音はまったく気にならなかったが、静音性を追求するなら「SILENTモード」での動作を検討してもいいだろう。
「SUPRIM」と「GAMING TRIO」のギャップを埋めるべく、NVIDIA GeForce RTX 50シリーズに合わせて投入されたMSIの新ハイエンド「VANGUARD」シリーズ。今回はその中からGeForce RTX 5080を搭載する「GeForce RTX 5080 16G VANGUARD SOC LAUNCH EDITION」の検証を進めてきた。
フラッグシップ「SUPRIM」と同様、最新技術を結集した新型クーラー「HYPER FROZR」は静音性、冷却性能とも優秀で、発熱やノイズに悩まされることなくゲームを楽しむことができる。またあくまでも自己責任になるが、手動オーバークロックでさらにパフォーマンスを引き出す場合でも、冷却性能が不足することはないだろう。
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そしてSOCモデルらしく、あらかじめ高クロックのチューニングが施されているのも特徴。「Extreme Performance」によるテストでは、GeForce RTX 5080 Founders Editionに比べておおむね3~4%、場合によっては約6%上回るものもあるなど、実際のゲーム性能も良好だった。GeForce RTX 5080の中でも高めの価格帯に位置する製品だが、卓越した冷却性能と高いパフォーマンスを併せ持つ「GeForce RTX 5080 16G VANGUARD SOC LAUNCH EDITION」は、ハイエンドゲーマーにとって多いに魅力的な製品になるだろう。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社