エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1517
2025.03.11 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
昨年11月に登場した「Ryzen 7 9800X3D」から遅れること約4ヶ月。2CCD構成によりコア数を拡張したハイエンドモデル「Ryzen 9 9900X3D」シリーズの国内発売が2025年3月14日11:00より開始されることになった。
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CES 2025の基調講演では、ゲーマーだけでなくクリエイターにも最適なCPUとして紹介されたRyzen 9 9900X3Dシリーズ |
CCDの構成は3D V-Cacheを搭載するCCDと、搭載しない従来型CCDを組み合わせたハイブリッド方式で、前世代の「Ryzen 9 7900X3D」シリーズと全く同じ。ただし、CCDの下にキャッシュメモリを配置する「第2世代3D V-Cache技術」を採用することで、発熱の大きいCCDとヒートスプレッダが直接接触するようになり、冷却効率が大幅に改善している。
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「第2世代3D V-Cache技術」では、64MBの3D V-CacheをCCDの下に配置。これによりCCDが直接ヒートスプレッダに接触し、冷却効率が改善されている |
これにより3D V-Cache搭載CCDの動作クロックが低いという、従来の欠点が解消されている。さらにIPCがZen 4から約16%も向上したZen 5アーキテクチャを採用することで、AMD曰く“ゲームだけでなくクリエイティブな作業でも世界最高のパフォーマンスを発揮する”ことができるという。
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AMD「Ryzen 9 9950X3D」(2025年3月14日11:00発売) 製品情報(AMD) |
最上位モデル「Ryzen 9 9950X3D」のスペックは、コア数が16コア/32スレッド、ベースクロックは4.3GHz、最大ブーストクロックは5.7GHzで、動作クロックはRyzen 9 9950Xと全く同じ。一方で、キャッシュメモリはL1が1,024KB、L2が16MB、L3が128MBとされ、L3キャッシュは2倍へと拡張されている。
またX3Dシリーズの製品では、初めてTDPが170Wに設定されているのも特徴。最大動作温度も先代の89℃→95℃へと6℃上昇しており、「第2世代3D V-Cache技術」を採用したことで熱設計は確実に改善されていることがわかる。ちなみにグローバル市場向け価格は699ドルに設定されており、Ryzen 7 9800X3Dのレートを参考にすると国内価格はおそらく130,000円前後になると思われる。
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Ryzen 9 7950X3Dとの比較では、ゲーム性能は平均8%、クリエイティブな作業は平均13%向上している |
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Core Ultra 9 285Kとの比較ではゲーム性能は平均20%、クリエイティブな作業も平均10%上回るとのこと |
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AMD「Ryzen 9 9900X3D」(2025年3月14日11:00発売) 製品情報(AMD) |
「Ryzen 9 9900X3D」のスペックは、コア数が12コア/24スレッド、ベースクロックは4.4GHz、最大ブーストクロックは5.5GHz、キャッシュメモリはL1が960KB、L2が12MB、L3が128MB、TDPは120W、最大動作温度は95℃。Ryzen 9 9900Xに比べるとブーストクロックは0.1GHz低いものの、L3キャッシュはこちらも2倍に拡張されている。ちなみにグローバル市場向けの販売価格は599ドルで、国内価格はおそらく110,000円前後になると思われる。
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