エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1519
2025.03.19 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
冒頭でも触れたように、今回取り上げる「FX360 INF」は、120mmファン3基をラジエーターに搭載する、いわゆる360mmサイズラジエーター仕様のオールインワン型水冷ユニット(以下:AIO水冷)。ひと昔前は対応PCケースの選択肢と売価がネックになり、240mmサイズが主役だったAIO水冷も時代と共に状況は変化。現在の売れ筋は360mmサイズラジエーターモデルになった。
そして、これまで多くの製品に触れてきたワケだが、なかでもとびきり売価が目を引くFX360 INFは、”いろいろな意味で”取り上げておかなければならない存在といえる。
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ID-COOLING「FX360 INF」 実勢価格税込約12,000円(2024年9月発売) ※Amazon専売モデル 製品情報(ID-COOLING) |
編集部が注目したのは、自作PCパーツショップでは販売されない、Amazon専売モデルであること。国内代理店を通さず、流通コストが一部省略されることで売価が低く設定できるのは消費者にとっては1番のメリットだ。反面、国内代理店ならではのサポート体制は期待できず、万一のトラブルや保証(warranty)について、どのように対応されるのかは気になるところだろう。
執筆現在(2025年3月)、Amazonの販売サイトを確認すると、税込11,999円で販売されている。やはり360mmサイズラジエーターのAIO水冷でこの価格はかなり魅力的に映る。
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「FX360 INF」のAmazon購入画面。売価は税込11,999円でポイント:120pt(1%)が付与される |
ここで入手するにあたり、想定される懸念事項を払拭しておきたい。編集部では検証を前にID-COOLINGへ直接話を聞いている。最も気になる製品保証について、「FX INF」シリーズは3年間の保証が提供される。これについてはメーカーのサポートサイトに掲示されており、Amazonで購入した場合も例外ではないという。
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ID-COOLINGのWarranty関連サイト |
ID-COOLINGは日本国内に支社がなく、もちろん代理店シールなしの言わば「メーカー直販」という格好。初期不良についてはAmazonの「返品受付センター」を介した対応になり、あくまでもAmazonの規定に準拠した対応。一方で、使用年月が経過し、3年以内であればID-COOLINGに直接コンタクトを行う事で規定通りの対応が受けられる。
ID-COOLINGの担当者曰く、購入方法の違いによるサービス(この場合は保証)の差はなく「なんら心配はいらない」という立場だ。強いて言うなら実機の展示が無いため、事前に現物をチェックできない事をデメリットと感じる人もいるだろう。
実機に触れる前に、外装パッケージを確認してみよう。360mmサイズラジエーターのAIO水冷ユニットとあって、大柄な箱は実測で幅約465mm、奥行き約220mm、高さ約145mmだった。ご存じのように、Amazonはさまざまなサイズの輸送箱や輸送袋を取り揃えているため、製品に合った梱包で届けられるに違いない。
カラーリングはID-COOLINGのロゴにも使われているオレンジとブラックのツートン。正面下部にはARGBイルミネーション対応を主張する”RGBライン”がアクセントとしてあしらわれている。なおパッケージ背面には簡単な製品概要が記されていた。
次にスペック表に目を通しておく。対応ソケットはIntel LGA1851/1700/1200/115x、AMD Socket AM5/AM4で、現行CPUを全てフォロー。対応TDPは350Wと記載されていた。
AIO水冷ユニットを構成するラジエーター、チューブ、ウォーターブロック、ポンプ、冷却ファンは、それぞれ詳細に数値が開示されており、購入前に把握する事が可能。店頭購入ができない通販専売モデルだけに、事前情報は多ければ多いほど良い。