エルミタ的速攻撮って出しレビューVol179
2012.10.10 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「Z77 OC Formula」 市場想定売価税込26,000円前後 製品情報(マスタードシード)/製品情報(ASRock) |
これまでASRockのハイエンドマザーボードには、一般向けの多機能モデル「Extreme」シリーズとプロゲーマーFatal1ty氏との共同開発を謳うゲーマー向け「Fatal1ty」シリーズの2つのラインナップが用意されていた。いずれもオーバークロック用途でも十分なパフォーマンスを備えているが、純粋なオーバークロック向け製品と比較するとやや過剰装備であったり、機能が不足している面があった。
そんなギャップを埋めるべく、ハイエンドマザーの新たな柱として追加されたのが「OC Furmula」シリーズだ。開発に際してはオーバークロックの世界記録保持者Nick Shih氏を招聘し、ハードウェア、ソフトウェアの両面からチューンナップを実施。さらに必要な機能を厳選することで、オーバークロック耐性だけでなくコストとのバランスも考えられているのが特徴だ。
今回検証する「Z77 OC Formula」では、オーバークロック耐性向上の重要なファクターに「電源」「冷却」「接続」の3つを上げている。
まず「電源」について確認すると、電源回路はデジタルPWM制御の12+4フェーズでハイエンドモデルでは一般的な構成。しかしコンポーネントにコア損失が低いPremium Alloy Choke、2つのダイを重ね抵抗を減らしたDual-Stack MOSFET、低周波から高周波まですべてのノイズをフィルタする3種類のコンデンサを組み合わせたMultiple Filter CAPを採用することで、発熱を抑えオーバークロック時でも安定した電源供給を可能にした。
「冷却」面では、コンシューマ向け製品では初めての試みとなる水冷と空冷ファンを組み合わせたオリジナルヒートシンクTwin-Power Coolingが特徴的。また4層2オンス銅レイヤーを備えた8層基板の採用で基板の放熱性能も向上し、温度上昇を防ぐことができる。
さらに「Z77 OC Formula」では、電力損失低減のためCPU電源コネクタに高密度コネクタを採用。CPUやメモリソケットの端子に15μのゴールドメッキを施すなど「接続」にもこだわることで優れたオーバークロック耐性を実現している。
ブラックとイエローにカラーリングされた「Z77 OC Formula」。対応フォームファクタはSSI-CEBでケースの対応には注意が必要 |
(左)黒を基調にスポーツカーがデザインされたシックなパッケージ。サイズは実測値で390×337×130mmとハイエンドらしく非常に大柄/(右)多言語化されたクイックインストールガイド、ソフトウェアセットアップガイド、Virtu MVP設定ガイドなどマニュアル類も豊富に用意 |
ケースを用意することなくシステムをセットアップできる「OC Stand」。エアフローも良好なため、オーバークロックの限界を探る場合に重宝する |