アッパーミドルクラスの「GeForce GTX 660Ti」登場により、いよいよラインナップが充実してきたNVIDIA製GPU搭載のグラフィックスカード。すでに登場している「GeForce GT 640」から始まり、ハイエンドモデルの「GeForce GTX 680」まで、Keplerアーキテクチャを採用したデスクトップPC向けGPUが出揃った、まさに“松・竹・梅”のそろい踏みといった格好だ。
そんな中、取り上げるのはエルミタ的速攻撮って出しレビューでは初登場となるエントリー向けGPU「GeForce GT 640」を搭載したグラフィックスカード。今回株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の協力により、発売から2カ月を経て現在も人気というLeadtek(本社:台湾)「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」(型番:WFGT640-2GD3ATX4)を入手。普段はあまり試すことができない、3画面や4画面といった多画面出力についても挑戦しているので、その検証結果をお伝えしていこう。 |
|
GeForce GT 640搭載グラフィックスカード
「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」
(型番:WFGT640-2GD3ATX4)
実勢価格10,800円前後
製品情報(Leadtek Research Inc.)/製品情報(株式会社アスク) |
|
|
|多数派に最適な“最新”GeForce。ポイントは多画面出力のサポートか
自作PCの世界でも、最新ゲームをするためにグラフィックスカードへ数万円も投資するというユーザーは決して多数派でないことは確か。ミドルレンジからハイエンドモデルの製品を選択するユーザーを除けば、多くはCPU内蔵グラフィックス、もしくは安価なエントリー向けGPUを搭載したカードを選んでいるのではないだろうか。とはいえ、旧世代の製品を積極的に選ぶかと言えば、そう単純に割り切れるものではない。
そんな時にオススメなのは、今回取り上げる1万円前後で購入できる「GeForce GT 640」搭載グラフィックスカードだ。Keplerアーキテクチャを採用する同GPUは、やはりエントリー向けという位置づけでNVIDIAが用意したFermiアーキテクチャ採用の3モデル「GeForce GT 610/620/630」とは明かにその出自を異にする。現時点でリネームモデルを除いた“最新”のGeForceシリーズで、一番安価なモデルとなるのが「GeForce GT 640」搭載グラフィックスカードとなるわけだ。
さらにスポットを当てたいのが、このカードを使った多画面出力。3画面はもちろん、出力インターフェイスの構成次第では4画面出力も叶うマルチぶりだ。これまで編集部でも試す機会がなかったため、今回はこの点もじっくり検証してみたい。
|リファレンスに忠実な作りもマルチディスプレイ対応で注目度高し
|
|
これといったクセのない作りの「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」。カード長は150mm以下と非常にコンパクト。2Slotデザインという点にさえ配慮すれば、補助電源も不要で小型のケース等での利用にも最適なモデルといえる |
|
|
さて、今回の主役となる「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」(以下:「WinFast GT640 2GB」)。まずは本体カードを確認しておくことにしよう。
「GeForce GT 640」搭載グラフィックスカードとしてはNVIDIAのリファレンススペックに沿った仕様で、コアクロック900MHz、メモリクロック1,800MHzというもの。組み合わせられるグラフィックメモリも「GeForce GT 640」のスペックによりDDR3に制限されることから、2GBのDDR3メモリとなっている。
また搭載されるVGAクーラーは2Slot占有タイプで、73.91mm口径のファンと放熱性に優れたアルミニウムベースで構成される一般的なデザイン。PCI-Express補助電源はなく、最大消費電力もわずか65W、推奨搭載電源も350Wと非常にエコな作りとなっている点もユーザーにとっては嬉しいところだ。ちなみに、「GeForce GTX 660Ti」以上のモデルで採用される自動クロックアップ機能である「GPU Boost」は非サポートとなる。
また、同製品のポイントである出力インターフェイスは、DualLink DVI-I×1、HDMI×1、DisplayPort×1、D-Sub×1という構成。グラフィックスカード1枚で4画面出力をサポートし、NVIDIAが推進するマルチディスプレイ3D表示技術「3D Vision Surround」にも対応する。予算を抑えつつ手軽に3画面出力をトライしたいなら、まさにうってつけの製品だ。
|