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2009年2月7日
エルピーダ、第3四半期決算発表、PC用DRAMは-44.9%減など四半期純損失は1,179億9100万円の赤字 |
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2月4日付け当サイトでお伝えしたエルピーダメモリ株式会社(東京都中央区)の公的資金検討の一報から2日後の2月6日付けで、同社は2009年3月期 第3四半期(2007年10月1日〜12月31日)の決算を発表した。当初2009年1月29日に決算発表日が設定されていたが、「持分法対象会社であるRexchip Electronics Corporationの決算確定に時間を要しているため、やむをえず決算発表日を変更」(エルピーダ)との理由から約1週間遅れでの発表となる。
それによると売上高2,845億円(前年同期3,150億円)、経常利益1,117億円(同89億円)となり、当期純利益は1,179億円の赤字となった。
世界的金融危機の影響、そして個人消費縮小等を主な理由にDRAM業界では9月中旬以降、メーカー数社がおこなった減産の効果が顕著になり、消費が急激な落ち込みをみせた。
さらにDRAMの主要製品である1GB DDR2 SDRAMについては平均スポット価格が前四半期比の下落率が50%を記録。同社は価格対応力の低い90nmプロセスでの生産縮小およびコスト競争力の高い65nmプロセスでの生産に順次切り替えることでコスト改善を進めてきたという。
また売上総損失は生産コストを大きく下回る水準で価格が推移し、さらに円高の影響を受け、営業損失は579億円(前四半期245億円の損失)に達している。
今後の見通しとして、65nmプロセスシュリンク版の高い歩留まり達成、さらに50nmプロセス品は2007年11月に開発が完了している事から、1-3月期より量産を開始し、コスト競争力の強化を進める。
エルピーダメモリ株式会社は、資本増強のひとつとして公的資金の申請の検討との報道がなされており、半導体世界第3位の国内企業である同社の動向には注目が集まっている。なお同社は2月4日付けのプレスリリースで、公的資金申請検討に関しては正式発表の見解ではないとしている。また2月5日付け一部報道では、台湾当局がエルピーダの株取得の可能性を示唆する発言があり、当のエルピーダ側はこれに対し正式なコメントは発表されていない。 |
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