VIA Technologies, Inc.(本社:台湾)は、12cm x 12cmのNono-ITXフォームファクター「VIA EPIA N700-10EW」を2009年8月6日付けで発表した。
■大なる可能性を秘めたVIA製スモールファクターマザーボード
わずか12cm x12cmのサイズにVIAテクノロジーが存分に詰め込まれたNano-ITXマザーボードの新作が発表された。
VIAといえば誰もが知るスモールフォームファクターの第一人者。本来Embedded向けとなるMini-ITXマザーボードをこれまで国内代理店の尽力により、リテール市場にも広く普及させ、さらに小型サイズのNano-ITX「EPIA N」を2005年Q4にリリースするなどその技術力は誰もが認めるところだが、近頃VIAのスモールファクターマザーボードの存在感はIntel Atomの登場によりやや薄れた感は否めない。
そもそもVIAの開発する製品は、自動改札機やATM、医療関係等コンシューマ以外での用途が本来の姿なため、原点に立ち返ったと言えばそれまでだが、想像以上の小型化と、常時稼働で高い耐久性を要求するシステムを相手にするVIAの品質は自ずと高いものとなっている。ネットブック等の圧倒的シェアを確保したIntel Atomとはまったく異なる土俵に立っており、切り分けて考えるのが正解といえるだろう。
今回発表された「VIA EPIA N700-10EW」は、-20℃から70℃の温度域における安定性が保証され、極度の運転温度を生み出す機械装置を有する特殊工業アプリケーション、そして砂漠、山、高地環境などの極端な気候条件をもクリアされる、まさにVIAの独壇場となっている。
ファンレスの「VIA EPIA N700-10EW」は、電力効率に優れた1GHz VIA Eden ULVプロセッサーと、VIA VX800メディアシステムプロセッサーを搭載し、全面的に固体コンデンサを使用。さらに出荷前には互換性と信頼性を厳しくテストし、広温度域検証済みのシステムメモリモジュールがバンドルされる。
スペックは、最大2GBまでのDDR2メモリをサポートし、SATAコネクタx2、USB2.0、COM、PCI-ExpressベースのギガビットLAN、TypeT CFスロット、ミニPCIスロット、IDEポート、さらにCOM、USBのピンヘッダも用意されている。
グラフィック関連では、統合Direct X9グラフィックスコアとなるVIA VX800メディアシステムプロセッサー、およびMPEG2、MPEG4、WMV9、VC1ビデオフォーマット用のハードウェアアクセラレーションビデオ再生をサポート。オンボードVGAポートは、24bitデュアルチャンネルLVDSトランスミッターをサポートし、組込パネルへのディスプレイ接続ができる。
このように、Nano-ITXマザーボード「VIA EPIA N700-10EW」は、あらゆる用途に発展できるテクノロジーを12cm四方に収め、いつのまにか我々の日常生活の中で活躍する事になるだろう。 |