OCZ Technology(本社:アメリカ・カリフォルニア州)は、バスインターフェイスPCI-Express(x8)の拡張カードタイプを採用するSolid State Drive(SSD)、「OCZ Z-Drive p84 PCI-Express SSD」(MLC)、「OCZ Z-Drive e84 PCI-Express SSD」(SLC)を正式発表した。
■PCI-Express(x8)タイプのSSD「Z-Drive」を“三度の正式発表”
今回正式発表されたSSDは、PCI-Express(x8)インターフェイスを持つ拡張カード型を採用し、SLCタイプおよびMLCタイプの2シリーズ、全5モデルで構成されている。
4つのSATAコントローラーおよびRAIDコントローラーを搭載するこの製品は、本体サイズW195x D127x H32mmで、256MBのローカルキャッシュを搭載。MTBFは9000,000時間で、対応OSは、Windows 7(32/64bit)/Vista(32/64bit)/XP(32/64bit)の他、Linux、Mac OS X 10等とされている。なおラインナップおよびスペックは以下通り。
OCZ Z-Drive e84 PCI-Express SSD(SLC) |
Model |
Max Read |
Max Write |
Max IOPS |
OCZSSDPCIE-ZDE84512G (512MB) |
800MB/sec |
750MB/sec |
16,000 |
OCZSSDPCIE-ZDE84256G(256GB) |
800MB/sec |
750MB/sec |
16,000 |
OCZ Z-Drive p84 PCI-Express SSD(MLC) |
Model |
Max Read |
Max Write |
Max IOPS |
OCZSSDPCIE-ZDP841T (1TB) |
870MB/sec |
780MB/sec |
10,000 |
OCZSSDPCIE-ZDP84512G(512GB) |
870MB/sec |
760MB/sec |
10,000 |
OCZSSDPCIE-ZDP84256G(256GB) |
770MB/sec |
640MB/sec |
10,000 |
※Max IOPSは4KBランダム |
今回の「OCZ Z-Drive」発売に関して、OCZ Technology APACマーケティングマネージャーのTomasz Swatowski氏が当サイトの取材に対し、「OCZ Z-Driveはとても重いデータプロセス環境で日々働くユーザーにとって、パフォーマンスに大きな飛躍をもたらし、完全に異なったストレージとデータアクセス体験をもたらすでしょう。これはデータストレージテクノロジーにおける大躍進であると言えます」とし、さらに「Z-Driveは過去にどのCPU、GPUまたはメモリーアップグレードでも体感できなかった、重いアプリケーションの要求を満たすパフォーマンスレベルに十分対応することでしょう」と、コメントを寄せている。
■紆余曲折を経て、「Z-Drive」最終形完成。間もなく国内登場
ご存じの方も多いと思われるが、OCZのPCI-ExpressタイプSSDには紆余曲折があった。リテール向けモデルとしては初となるPCI-ExpressタイプSSD「Z-Drive」は、今年の3月にドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT2009」でそのプロトタイプが発表された。ハイエンドクラスのグラフィックスカードに似たPCB全体を覆うカバーが印象的で、スペックは最大読み込み600MB/sec、最大書き込み500MB/secと発表されていた。
さらに4月23日付プレスリリースで正式発表が行われ、外観は洗練されたカバーデザインに変更された上、詳細スペックが初めて明らかにされている。 それによると、本体サイズはD245x W124x H22mmとなり、スペックは1TB(Max Read 500MB/sec:Max Write 470MB/sec)、500GB(同510MB/sec:480MB/sec)、250GB(同450MB/sec:300MB/sec)とされ、販売予価が判明するまでに至った。
そして出荷開始がなされないまま6月に台湾で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2009」の会期中、隣接するホテルのプライベートブースで開催された展示会では、その「Z-Drive」が姿を消す事になる。
これに関し、OCZではそのPCBサイズから、マルチグラフィックが構築されたケース内での物理的干渉を理由に急遽出荷を見合わせた事を明らかにし、これまで永遠の“お蔵入り”に近い状況が続いてきたというのがここまでの経緯だった。
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現在公開されている内部画像はここまで |
“今度こそ”という表現を使わずにはいられないが、当サイトでも2009年9月11日付け「the Voices」でも国内予価をお伝えしている通り、早ければ今月下旬にも発売が開始されるスケジュールとなっている。ちなみに現時点の予価は、1TBで約500,000円、500GBで約300,000円とさすがに“それなり”の金額となっているが、注目のモデルである事に違いはない。 |