Cooler Master co., Ltd.(本社:台湾)は、グローバルサイトのプレスリリースにおいて、フレームにハニカム構造を採用し、ファンブレード部分が着脱可能な汎用ファン「Excalibur」を発表した。
■フレームハニカムメッシュにBarometric Ball Bearing採用の汎用120mmファン
「Excalibur」 発売日未定
http://www.coolermaster.com/news.php?action=ViewNews&id=6189
ここ数年、ケースメーカーのイメージが強いCoolerMasterから、本来専門分野である冷却系パーツのギミック付き新製品が発表された。現時点発売日は未確認ながら、12月末との情報もあり、価格は17.9ユーロ程度ではないかと言われている。
「Excalibur」と名付けられたこの汎用ファンは、これまで同社がリリースしてきた、どこかアクセサリー要素の強いLEDファンとは一線を画した“真面目な”モデルで、まず目を引くのは外周部に通気孔が設けられたメタル製フレーム部だろう。
ハチの巣のような穴をハニカム構造と呼ぶが、これは通常の丸穴に比べ強度が保たれる分、複数の穴を空けることができる利点がある。これをフレーム外周部にレイアウトする事で、低回転でも気流(風量)を稼ぐことができる上に乱気流を逃がすことで振動を抑える効果が期待できるという。これまでリリースされた汎用ファンでは、同様の効果をもたらすスリット付きファンがPanasonic(Panaflow)やThermaltakeから発売されているが、今回のように大胆に通気孔があるフレームは非常に珍しい。
軸受け構造は“Barometric Ball Bearing(BBB)”と呼ばれるもので、テクニカルドキュメントを直訳すると気圧を中心部に維持させる事で騒音値を下げると共に製品寿命にも貢献されているという。
さらにこのファンではファンブレード部分の着脱が可能で、埃除去などのメンテナンスができるのも特徴のひとつとなっている。
日本市場でのファンブレード着脱可能な普及タイプの汎用ファンは、磁気によるMBBベアリングが採用された「リニアサイレントファン」が先駆者的モデルで、ファンブレード部が着脱できるだけでなく水洗いが可能というギミックに大きな注目が集められたものだが、CoolerMasterの「Excalibur」に関しては、掃除機などによる埃除去程度となるようで、防水に関する記述は見当たらない。
また着脱可能なファンブレード部は、9枚羽仕様となり、そのデザインは“Sword-shaped”と名付けられている通り、刃のような先端の鋭さと角度が付けられており、エッジ部で起こる乱気流と共に、いわゆるウィンドシアを減少させる事ができるという。
最後にスペックを紹介すると、ファン口径は120×120×25mmの4pin PWM仕様。回転数は600-200rpm±10%、風量26.4-85.6CFM、騒音値13-30dBAで、製品寿命は100,000時間のロングライフタイプとなっている。
蛇足ながら本来“ギミック”とは特徴的な「仕掛け」と解釈されるが、マイナスイメージでの「仕掛け(からくり)」としても使われる言葉だけに、今回発表された「Excalibur」は前者なのか後者なのか、期待をしながら国内リリースを待ちたいところだ。 |