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[コラム] 一時代を築いたグロウアップ・ジャパンと「SMART DRIVE」 |
2012年1月3日 13:30 更新 |
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HDD静音化パーツ「SMART DRIVE」で一世を風靡した、株式会社グロウアップ・ジャパンが2011年11月9日、東京地方裁判所において破産手続き開始決定を受けた。官報(2011-11-24/号外251号)によると負債総額は約3億円とされている。
■「不要パーツ箱」から出てきた「SMART DRIVE 2002」
年末、編集部の「不要パーツ箱」を整理していると、中から長方形の“箱”が出てきた。USBケーブルや電源ケーブルの固まりをかき分け、その物体に手を伸ばしてみると、それはキンキンに冷えたアルミニウム製の「SMART DRIVE 2002」だった。
「SILENT DRIVE」の派生版として1999年に登場した「SMART DRIVE」は3.5インチHDDを5.25インチサイズのアルミニウムBOXに入れ、HDDの冷却と静音化を図るという、グロウアップ・ジャパンの看板製品だった。
黒の筐体や側面のシルク「2002」の文字から、シルバーで華奢な初代「SMART DRIVE」から代を重ねた“2002年モノ”らしい。その重さから、中にはHDDがまだ閉じ込められている事が分かる。数年前のHDDには何が収められているのだろう。いや、もう動かないかもしれない。
2000年代の初め、「静音」というキーワードが脚光を浴び、自作PCパーツ業界のキーワードは“静音一色”になり、一大ブームとなった。そこから長い間、自作PCは「静音」が牽引していったと言っても過言ではない。そんな中、選択肢の少ないHDD用静音化アイテム、「SMART DRIVE」は爆発的に売れた。筆者も愛用者のひとりだった。
「静音」は今やトピックではなく、それほど知識が無い人がPCを組んでも、そこそこ背音PCが出来上がる。“静音PCを組むぞ”と意気込んで完成したPCと、どれほどの差があるのだろうか。極めて怪しい。
■間違い無く一時代を築いたGPU
グロウアップ・ジャパンはマニア向けPCパーツショップ「USER SIDE」を運営し、Innovatekの水冷パーツを積極的に展開。法人・サーバー向け製品にも強く、SUPER MICROのマザーボードをいち早く入荷させたほか、TOPOWER製OEMによるオリジナル静音電源ユニットを手がけ、晩年にはゲーマー向けマウスパッドを多数リリース。長きにわたり、移転を繰り返しつつも秋葉原地区で展開していた実店舗「USER SIDE」は2010年に閉店し、通販ショップ「GAME Freak」(2011年11月9日付けで自己破産。負債総額約2億円)で営業を続けていた。
自作のよき時代と共に繁栄し、幕を閉じたグロウアップ・ジャパン。思い出深い「SMART DRIVE」をしげしげと眺め、“断捨離”という言葉が頭をよぎりつつ、そのまま「不要パーツ箱」に戻しておく事にしよう。 |
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TEXT:GDM編集部 松枝 清顕
TOPOWER
http://topower.com.tw/
Innovatek
http://www.innovatek.de/
■「COMPUTEX」番外編 台湾版アキバ"八徳路電気街"ドスパラ台北光華本店を訪ねて(2011/6/29)
http://www.gdm.or.jp/review/dos_taiwan/index_01.html
→秋葉原主要ショップ最新特価情報「Special Price」
→エルミタ的ロードマップ「PCカレンダー」
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